自分の仕事に説得力を持たせる方法について、お伝えしていきます。
起業していろいろな人と会ったりコミュニケーションをしてきたなかで、言葉に説得力や真実味がある人もいれば、反対にただただ薄っぺらい人も数多くいました。
言葉に説得力を持たせるためにできることはさまざまあります。そのなかでたった1つ、欠けてはならないのは【自分自身で経験すること】です。
自分で食べたことのないものは他人にオススメしませんよね。けれどビジネスの世界では、「やったことがない」のに「やったことがある」かのように語る人が多いです。
それは長期的に見れば、自分のブランディングを落としてしまうことになりかねません。
ビジネスで提案が通らない、話を深く聞いてもらえない、といった悩みがある方は、一度我が身を振り返ってみてください。
言葉に説得力がない人の特徴
具体例を出します。
巷でも非常に多いのですが、「公式LINEで集客してリピーターを増やします」といったビジネスをしている人がいます。
確かに公式LINEは便利で、上手に活用すればリピート率アップにつながります。しかし公式LINEというツールの特性上、お客様に登録してもらうまでが一番難しい。
それなのに、「LINEの専門家」と名乗る人の多くが、ゼロイチの集客には長けていないのです。ゼロイチの集客ができないことにはリピーターなど増やしようがないですし、専門家と名乗りながら自分では公式LINEを運営していない人もいます。
これって果たして、言葉に説得力があるでしょうか?
自分自身のLINEの登録者がいっぱいで、仕事の予約待ちが殺到…くらいの成果を上げていなければ、他人に対し「リピーターを増やします」とはとても言えないはずです。
このケースであれば、「公式LINEの構築方法が分からない人のサポートをする」という切り口ならいいですが、「リピーターを増やす」はちょっとお門違いだと思うんですよね。
自分自身でリピーターを増やす経験をしていないわけですから。
まず自分自身が経験すること
もちろんケースバイケースで、未経験のことにチャレンジする気概も持っていてしかるべきです。
大事なのは、言い方・伝え方・切り口。必要以上に自分を大きく見せることはマイナスブランディングになりますし、何よりお客様に失礼だと思います。
有無を言わさない説得力を得るには、自分自身で経験し、結果を出すのが早道です。
たとえば私はニッチなところでFAXを使った集客が得意なのですが、これを人に伝えるとたいてい「今どきFAXなんて使えるの?」といったことを言われます。
少なくとも、製造業や飲食業に対してなど、いまだに受注・発注をFAXでやり取りしている相手に対しては効果はあります。実際に、200人規模の飲食企業や、売上数十億の卸売業の方々をセミナー集客したことがあります。
これも、自分で「やった」からこそ言えることです。新聞の1行広告も効果はありましたし、チラシによってインターネットではリーチできない層を集めることもできました。
いわば、説得力を得るための投資です。自分自身の経験があるからこそ、「やった」ことに対しては自信を持ってオススメできます。
職場の後輩に仕事を教えることも同じですよね。
自分が上手くいったことは教えられます。しかし、未経験のこと・できないことを偉そうに語るのは何よりやっている本人が恥ずかしい。
逆に、できないことはキッパリできないと伝えるほうが親切ですし、あとあとクレームになったりということもなくなります。
自分で経験したケーススタディが本当のノウハウ
今やインターネットを検索すれば無料でさまざまなノウハウが手に入ります。しかし、それを手にすることだけでは「知った」であって「分かっている」「できる」ではありません。
言葉に説得力のない人は「知っている」を「できる」と混同していることがとても多いです。
公式LINEの構築の仕方はネットで情報が手に入りますが、リピーターを増やすことはSNSの教科書通りにはいきません。リピーター獲得はまた別の話であり別の能力が必要です。
ネットで得られるような表層的なノウハウは本当のノウハウではないのだと思います。自分自身で苦心して掴んだケーススタディがノウハウとなり、言葉に説得力へと生むのです。
また経験がケーススタディだと考えれば、「失敗」も貴重なノウハウであることが分かります。
先ほど私自身の集客経験を例に語りましたが、あんなものは数ある成功例の一部で、実際はその何倍もの失敗をしています。しかし、失敗を失敗で終わらせず、上手くいかなかった原因を考えたり、改善するための仮説を立てるようにしてきました。
ですから、自分が経験してきたことについては「こうすると失敗しますよ」という説得力を持って伝えられます。
人は成功例を知りたければ盲点も知りたいものですから、お話をさせていただく方々も私の失敗談に価値を感じてくれているようです(笑)。
そういった意味で、繰り返しますがどれだけ経験に投資してきたか? がその人間の説得力になるのだと思います。
説得力はつくるものではなく結果として得られるもの
私の経験から言っても、自分の仕事を長期的に考えると、「知っている」ことと「できる」ことはキッパリ分けたほうがいいです。いま「できない」ことは「できる」ようにしていけばいい。
問題は「知っている」と「できる」を混同させてしまうことです。これでは説得力もへったくれもありません。場合によっては嘘つき呼ばわりされてしまいます。
知識やノウハウを得ることは仕事の一部ではありますが、それだけをしていても成果に変わることはありません。成果を出すためにまず自分でやってみること・試してみることが大切です。
集客のノウハウを知っているのではなく、実際に集客できるかどうか? でしかその人の能力を測ることはできません。
やってみて少しでも「できる」ようになったなら、その成果をもとに仕事をつくっていく。そして得た仕事でより良い成果を出して、さらに大きな仕事をつくっていく。
この繰り返しがビジネスの真っ当な成長の仕方であり、仕事に説得力を持たせるただ1つの方法ではないでしょうか。説得力はつくるものではなく、結果として得られるものなんだと思います。
楽なやり方や一足跳びで成功する方法などありません。それを求めるあまり、いつまで経っても知識やノウハウを得ることに必死になっている人もいます。自分を大きく見せてはいるけれど、内実は儲かっておらずひっそり廃業した人も見てきました。
簡単に知識やノウハウが得られてしまう現代の負の側面とも言えますが、ビジネスは食っていけてナンボの世界なので、貪欲に成果を求めていくことが重要です。
まとめ
改めて自らに言い聞かせる意味でも書いてきたのですが、こうしてアウトプットをしてみると、まだまだ自分にも経験が圧倒的に不足していることが分かります。
でも経験が足りないということは「まだまだできる」「もっともっと説得力を積み重ねられる」という伸びしろでもありますよね。
また別の機会に書きたいテーマなのですが、経営コンサルタントの北岡秀紀さんがよくこのように語っています。
成功している人の「今」を真似するのではなく「成功するまでの過程」を真似しよう
今、成功している人の仕事に説得力があるのは成功するまでに積み上げてきたものがあるからです。だから、今の成功状態だけを見て知識・ノウハウを真似しようと思っても意味がない。
成功している人がどのような過程・失敗・工夫を経て自信や説得力を得てきたかを知り、トレースしていくこと。これも私たちの言葉に説得力を持たせるための確実な方法だと思います。
今回のまとめ
- 自分自身で経験した物事に対してしか説得力は生まれない。説得力がない言葉には信用が生まれない
- ネットなどで簡単に得られるノウハウは本当のノウハウじゃない。自分自身で実践して得たケーススタディが本当のノウハウになる
- 経験した結果得られた失敗も価値あるノウハウになる。知識・ノウハウではなく貪欲に成果を求めていけば説得力は生まれてくる
これらを実践していくことで、ビジネスで提案が通らない、話を深く聞いてもらえない、といった悩みは本質的に解決されます。
できないことをできるようにドンドン埋めていって、説得力のある人間になっていきたいものですね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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