ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
「起業したいけれど、自分に何ができるのか分からない」
「自分のスキルがお金に変わるのかどうか不安で、一歩踏み出せない」
今回は、このように悩んでいる起業志望者の方に役立つ情報をお届けしていきます。
上記のようなことは僕自身悩んできたことですし、起業してからも、そこから抜け出せない人がいます。
確かに、「自分のできること」を考えるのは大事です。
が、できることが出発点になるほど、お客様のニーズとズレが出てきてお金に変わらなかったり、ライバルの目が気になったりして悪循環になることが実に多いです。
今回は自戒を込める意味で、起業時のスタンスがどうあるべきかを経験からお伝えさせていただきたいと思います。お読みいただいているあなたがスムーズに起業のスタートダッシュを切るための、ヒントになればうれしいです。
できることより先にお客様の悩みを集める
「ビジネスは人の悩み解決だ」と、起業に興味を持たれているあなたなら、どこかで目にしたことがあるかもしれません。
そこでほとんどの人が、自分ができることを人の悩みに当てはめようとします。大枠としてできることがあるのは当然必要なのですが、それが先行してしまうと、
- 自分に都合のいい悩みしか集めなくなる
- 人の悩みを自分の都合のいいようにとらえてしまう
このようになってしまうのです。後者は「確証バイアス」などと呼ばれる、自分に都合のいいように情報を集めてしまうという人間の性質でもあります。
いずれにしても、起業してからでさえ、仕事がうまくお金に変わらない人の多くが陥ってしまう罠です。
特にネットで悩みを探す場合ほど、バイアスがかかってしまいやすいので注意してください。(なぜかというと、自分から主体的に探した物事ほど「否定したくない」という心理が働くからです)
起業初期で悩みのリサーチができていない場合は、直接あなたのお客になりそうな仮想ターゲットに話を聞くことをオススメします。近しい知り合いでも、近しい人を知り合いから紹介してもらう形でもOK。
または、仮想ターゲットを探す手段としてSNSを活用するのもありです。
そうすると、あなたが想定していた悩みはもちろん、想定していなかった、場合によっては180度違う答えが返ってくることもあるでしょう。
でも、それでいいのです。想定していなかった悩みを解決することが、起業のネタにもなるわけですから。
質問の仕方としては、たとえば「このようなターゲットのこのような悩みを解決する◯◯のような商品・サービスを考えているが、あなたなら欲しいですか? 欲しくないならなぜですか?」のように聞くといいでしょう。
そうすると、買わない理由も分かり、あなたの事業を補強する要素になりますから。
こうしたリサーチ活動の質が起業の成否を分けるといいます。
付加価値は考えていても生まれない
一方で、悩みのリサーチを怠る人ほど前述のように自分に都合のいい情報ばかり集め、いつの間にか、お客様と自分との間に感情のズレが生まれてしまいます。
そうなると、人間はどうなると思いますか? 僕が知っているなかでは、ほとんどの人が面白いくらい同じような行動を取ります。
- お金に変わらないのは自分に知識・経験・ノウハウがないからだ。
- これではライバルに勝てない。
- もっと勉強しなければ。
- 自分にしかない強み・付加価値を作れなければ…。
僕が起業前に知り合い、今も事業が上手くいっていない人の多くがこのような思考に陥っています。では僕が初めから上手くいったのか? というとお恥ずかしい話違うのですが、途中で気づくことができました。
お客様の悩みを集めるつもりが、いつの間にか自分中心の考えになっていると。
それに強みや付加価値などというものは、決して自分の中から生まれるものではないです。後述しますが、あなたの思う価値ではなく、お客様が感じる価値が大きくならなければ、お金には変わりません。
厳しいようですが自分にどれだけ優れたスキルや経験があったとしても、お客様の悩みを解決する大きな価値に変わらなければ、それは付加価値ではないわけです。
見当違いで今必要のない勉強や、ライバルとの比較をいくら続けても。
ですから、繰り返しますがまずお客様の悩みを集め、知ることが第一です。
もし起業前にあなたが探しているようなお客様と出会えたら、無料ないしモニター価格でサービスを提供してみるといいです。そしてその対価として感想を貰ってみてください。
お客様があなたのサービスに本当に価値を感じ、感想に形となって残されていたら…それこそがあなたの付加価値に変わる種です。
実際は一度や二度では分かりません。
しかしこうしたテスト活動を通して、あなたはあなたにしかない本当の付加価値を知ることになるはずです。遠い道のりのようですが必ず後で花開いてきますから、地道に取り組んでみてください。
悩みの切実さと価値の大きさの関係
想像してみてください。
たとえばあなたが異性にモテたい。家族のためにもっと給料のいい会社に転職したいなどと切実に願えば願うほど、それを達成してくれるサービスに多くのお金を払うはずです。
逆に、切実さがないものはどうでしょう?
調味料や加工食品などのようにどこで買っても大差がないものなら、なるべく安いお店で買うか、お店を回るのも面倒だから近場のお店で手を打つはずです。
先ほど付加価値の話をしましたが、あなたが持つべき付加価値は、お客様が抱える悩みの切実さと密接に関係しています。
ただ転職を支援してくれるエージェントより、年収を100万円アップさせることにコミットした転職エージェントの方が、頼りにしたいと思いませんか? 転職したい理由の多くが「収入を上げる」ことですよね。
そして本当にその悩みを解決してくれるのだとしたら、転職者にとっては大きな価値です。そんじょそこらの転職エージェントより大金を払ってでも、お願いしたいと思えるはず。
流行りのテクニックやライバルに勝つための知識を追い求めるのは、起業して事業が軌道に乗ったずっと後の話です。本来はステップを踏む順序が違います。
お客様が切実に解決したい悩みがあるか? を探すこと。それを解決できればよし。できなければようやくその段階になって、できるように勉強すればいいのです。
そうすればお客様に大きな価値を感じてもらいながら、あなた自身有意義にスキルアップしながら、お金に変わる仕事ができるようになってくるはずです。
3年は我慢の期間と心得よう
と、ここまでかなり簡略化したロードマップをお伝えしてきましたが、現実はそう上手くいくものではありません。
ある、尊敬している起業コンサルタントの方が、このように発信されています。
「3年は我慢の期間と心得よう」
実際にはどれだけ入念に、時間をかけても起業して初っ端からバシッとお金に変わることは稀だと思います。もしそうであれば、起業した誰もがビジネスに成功しています。
繰り返しお伝えしてきている「悩みを知る」ということは本当に奥が深い作業です。やってもやり過ぎということはないくらい、お客様と自分の感情にズレはあるもの。ですから知り続けなければいけません。
いい意味でとらえれば、悩みを知れば知るほどそれがビジネスのヒントに変わることもありますけどね。
「起業」と検索すれば「簡単に稼げる」といった情報ばかりが横行していますが、この記事をここまで読んでいただいているあなたは決して信じないでください。
学生時代、受験勉強に「簡単」などなかったはずです。
「簡単に稼げる」とアピールしているのは、稼ぎ方をノウハウ提供して稼いでいる人です。もっとも、本当に稼ぎ続けられる稼ぎ方を教えてくれる人は決して簡単などとはいいません。我慢も必要だと、包み隠さず伝えてくれます。
繰り返し修正、修正していける人が起業して食い続けられるのだと思います。そこまでの覚悟を、あなたは持つことができているでしょうか?
まとめ
起業が「自分のできること」から出発してしまうと、お客様の悩みと自分の考えにズレが生まれてしまうとお伝えしてきました。また必要以上にライバルと自分を比較してしまい、不安を増長させてしまいかねない、と。
ライバルが多いレッドオーシャンより、ブルーオーシャン=ニッチビジネスを狙え、と起業界隈ではいわれます。
しかし、どれだけすき間的な市場であってもライバルがいないなどありませんし、お客様の悩みを先に・なおかつより深く知ったもの勝ちの面もあります。
ですからどんな市場に参入するにしても、後発はキツいのです。ニッチだから勝てる、というほど単純で甘いものじゃない。
一方、初めからお客様の悩みありきでビジネスを成長させていけば、どうでしょう?
悩みから生まれたビジネスですから、切り取り方次第で他にはない「自分のビジネス」に化ける可能性があります。
僕自身もトライ&エラーを繰り返している最中ですし、実感として自分のビジネス作りには多大な時間がかかります。不安になることもしょっちゅうです(汗)。
それでも余計なことを考えなくなります。雑音も聞こえなくなります。ただどんなお客様にどんな価値を提供できればいいか? というシンプルな課題に変わる。
大事なので何度でもお伝えしますが、「自分に何ができるのか」「自分のスキルがお金に変わるのか」ではなく、どんな悩みを解決できるかにフォーカスしてみてください。
起業する前で時間的にも資金的にも余裕がある、今のあなただからこそできることです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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