ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
今回は、自分や商品の知名度をグッと上げたいときに取り組むべき施策についてお話していきます。
何をすべきか? というとズバリ、「他人や他社の知名度・ブランド力を借りること」。分かりやすく言うと、コラボレーション・協業です。
たとえば、昨今流行っているソーシャルゲームも、他社のコンテンツやキャラクターとコラボレーションをしてドンドン新たなファン層を獲得しています。
事業の打ち手に行き詰まったときに使える手段として、参考にしていただければうれしいです。
なお、この記事は「協業の進め方」をテーマにした以下の記事を少し別の角度から解説したものになります。併せてご覧いただければと思います。
知名度がないなら他人から借りるのが手っ取り早い
以前勤めていた会社が食品の商社でした。当時いた部署の部長が好んでプロジェクト化していたのが、自社商品と他社とのコラボレーションです。
詳しく名前は明かせませんが、某有名なカップ焼きそば、日本有数の牧場の牛乳、地場で愛されるご当地グルメなどなど。僕のいた会社は事業規模こそ大きかったものの一般的に名のある会社ではなかったので、外から知名度・ブランドを借りてきていたわけです。
もともとそれらが持っていた人気や信頼のおかげで、コラボ商品は狙い通り売れていました。話題にもなりやすかったです。
今も食品関係と関わりがあるのですが、最近この発想でクライアントさんに提案をしたところ、さっそく他社との新しいプロジェクトが進んでいます。
また僕自身、まったく知名度がなかったときに地元の専門学校に提案をしてビジネスセミナーに登壇させていただいたことがあります。それが呼び水となったのか、おかげさまでさまざまな場所に呼んでいただける機会が増えました。
広告費・人件費・時間を抑えることができる
事業や商品の知名度を上げる、つまり「認知を高める」のは特に起業初期とてもエネルギーを費やしますよね。この記事をお読みいただいているあなたなら、痛いほど分かると思います。
広告費をかけて広告を出したり、人件費をかけて営業にパワーを割いたり。Webまわりの情報発信にしても、SNSやSEO対策などいくつもやるべきことがあります。代行してもらうにはお金がかかりますし、自分でやるには知識の習得含めて多大な時間を要します。
その点、話をまとめるのに根気こそ必要ですが、他者の知名度・ブランド力を借りるのは必要以上にお金も時間もかかりません。そして前職の経験上言えることですが、イチから自分で試行錯誤するよりも成果を出しやすいです。
集客をかけていくにしても、先立って認知がなければ人が集まることは難しいと思います。知られていない=信用がない、ということですから。
自分に知名度がないときほど、コラボレーション・協業を活用してそれから広告なり情報発信をしていったほうが実は効果的だと言えます。
お互いにシナジーが生まれるかどうか
僕の前職の業界的なお話をすると、コンビニのプライベートブランド商品(PB)もある意味コラボ・協業です。
食品の裏面を見ていただければ分かるように、商品の中身をつくっているのはほとんどが取引関係にあるメーカーです。メーカーは全国展開するコンビニの「名前を借りながら」自社の知名度を上げるという事業戦略を取っているわけです。
僕が以前、PB開発に関わったメーカーはうれしいことに業界的知名度がグンと上がり、今もPB化の依頼がどんどん来ているそうです。
なぜ、コンビニがPB化を通してメーカーとコラボレーションするのかというと、自社に製造に関わるリソースもノウハウもないからです。コンビニ側は、それらを自社で投資することなく効率的に使いたい。
一方、メーカー側はコンビニが持つ知名度・ブランド力・マーケティング力が欲しい。お互いにないものを補い合ってシナジー(相乗効果)をつくりたいというとき、ニーズが一致します。
ですから、あなたがコラボ・協業先を探す際は一方的な利益ではなくお互いにとって利があるかどうかが重要な視点になります。
勘のいい方であれば、もう「こういうところとコラボしたらシナジーが生まれるのでは?」というアイデアが浮かび始めているのではないでしょうか?
競合もコラボ・協業相手になり得る
考え方によってはあなたが競合と思っている相手も、コラボ・協業先として検討することができます。
競合というと「市場シェアや売上を競い合うライバル」という一方的な視点だけで見がちですが、厳密には「直接競合」と「間接競合」があります。
- 直接競合:ゴールが同じ・手段も同じ(いわゆる競合)
- 間接競合:ゴールが同じ・手段は別
僕が以前担当していたお菓子の業界は「間接競合とのコラボ」が多くありました。たとえば長く愛されるロングセラーの味を、別ジャンルのお菓子で再現する事例ですとか。見たことはありませんか?
市場シェアや売上というゴールこそ同じでも、メーカーによってポテトチップスをつくったりチョコレートをつくったりと手段は異なります。お互いが共通の目的のもと、商品づくりをすることでやはりシナジーが生まれるわけです。
Webデザイナーとコピーライターがタッグを組むのもある意味「Web制作というゴールは同じ・手段が違う」コラボですし、料理店同士もたとえば「季節」など共通のテーマを持ってコラボすることができます。
「競合だからコラボなんてあり得ない」と検討材料から外すのではなく、頭を柔らかくして考えてみてください。
コラボする目的を見失わないこと
今回お伝えしているのは「他所から知名度・ブランド力を借りる」ことが目標ですから、忘れてはいけないことが1つだけあります。
それは、自分より知名度が高い他者と組まないと意味がないということです。それも、自分よりちょっとやそっと知名度があるくらいではなく、圧倒的に高いくらいでちょうどいいです。
コラボ・協業でありがちな間違いが、弱者連合をつくってしまうことです。知名度がない人同士がタッグを組んでも、なかなかシナジーが生まれません。
知名度を得たいはずではじめたプロジェクトそのものの知名度を上げなければならないという、矛盾が生まれるわけです。そして手間や労力は増えます。
「なにをバカな…」と思われたかもしれませんが、いつの間にか目的が「知名度を上げる」ことではなく「コラボすること」にすり替わっているケースは往々にしてあるものです。
またコラボ・協業の提案がうまくいかず、妥協しはじめたときに「じゃあここでいいか」といった誤った判断をしてしまいがちです。
そもそもなぜそれをするのか? という目的だけは見失わないでいたいものです。
まとめ
今回は、自分や商品の知名度を上げたいときに取り組む施策として、「他人や他社の知名度・ブランド力を借りる」というアプローチをご紹介しました。
先にも少し書いたのですが、お金・時間・労力をかけて広告や営業、情報発信に取り組むより確実に早く成果を上げられるのが今回お伝えしたやり方です。
特に起業初期は自分やその商品の良さ以前のところ、「知名度が低い」ことがネックとなってビジネスがなかなか前進しないものです。
「みながみな広告や情報発信をしているからそれだけやればいい」というのではなく、選択肢の1つとしていろいろな手段を持っておくといいでしょう。
自戒でもありますが、今の結果は自分の行動の現れであるわけなので、うまくいかないときこそ頭を柔軟にして仕事の取り組み方を考えていかなければいけないと思います。
今回のまとめ
- 自分に知名度がないのなら持っている他人から借りよう
- コラボ・協業先とシナジーが生まれるかどうかがポイント
- 間接競合もコラボ・協業相手になり得る
あなたのビジネスが大きく加速するヒントになればうれしいです!
もし、「どんな協業先が自分にとって効果的か分からない」というお悩みがあれば、無料相談をご利用くださいね。コラボフェチな上司に鍛えられた僕・大鹿がご一緒に考えます(笑)。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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