ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
誰でもどこでもいつからでも、才能を100%発揮するためのお手伝いをしています。
「自分とライバルをどう差別化すればいいのか?」という声をよく聞きます。そして差別化を意識するあまり、自分らしさを表現することに、四苦八苦してしまうものです。
もしあなたが今まさに同じ問題で悩んでいるのだとしたら、今回の内容は解決のヒントになると思います。
結論からいうと、ライバルと比べて自分のサービスがどうか? で評価するのは不正解。(注:競合調査をすることは大切ですよ)
お客様の「あったらいいな」、あるいはものを買って「なんらかの悩みを解決したい」という感情に、サービスを『寄り添わせること』があなたらしさに変わっていきます。
と、原理原則は分かっていてもなかなかしっくりこないのも事実なので、僕自身が自分らしさとは何か? に気づいた事例を交えながら、今回はお伝えしていきます。
今後のあなたのサービスづくりに、きっと役立ちますよ〜。さあ、自信を持って!
自分らしさの生かし方
とても律儀で、普段の発信からその面倒見のよさがあふれるほど伝わってくる先輩コンサルタントさん。以前お話させていただいたとき、どういうふうにサービスを提供しているのかを聞かせていただきました。
すると、返ってきた答えが、
「私はクライアントさんに毎日、その日やったことを報告してもらうようにしているんですよ」
そしてその報告に対して必ずフィードバックをする、と。1人ひとりにそんなにマメに接するの?? という疑問をぶつけると、
「確かにこのやり方では、抱えられるお客様の数は限られてしまうけれど(苦笑)。自分が誰よりも相手に寄り添えるのはこの形だったんですよね」
その言葉を聞いて、ご本人の面倒見のよさがそのままサービスの品質につながっていることがよく理解できました。
僕も経験がありますが、自分がやっていることが果たして正しいのか? ちゃんと前に進んでいるのか? が自分自身で分からないから不安になるものです。分からない状態が続けば続くだけ、その不安はどんどん肥大化していきます。
そんな気持ちを理解してくれて、律儀に優しく導いてくれたら…それも毎日。これほどうれしいことはありません。「それなら高いお金を払ってもいいかも」と、確かに思いましたもの。
「抱えられるお客様の数が限られてしまう」というデメリットを補って余りある、その人らしい寄り添い方。これこそが自分らしさを生かすということだと納得できました。
この話を聞いて、あなたはどう感じましたか?
冒頭でお客様の感情にサービスを『寄り添わせる』べき、とお伝えしたのはこのような理由からです。
マメに毎日コミュニケーションするだなんて、ライバルとの比較の中では生まれてこない発想だと思います。なぜなら多くの人が、目先の効率ばかりを求めようとするから。
別の例を挙げましょう。いつも寡黙で静かなカウンセラーさんであれば、それを「自分は明るく活発にハキハキものを喋れない」というデメリットにしないでいいわけです。お客様の中には、ただ静かに話を聞いてほしいという人もいるのだから。
デメリットに見えているものは、見方を変えれば自分らしさに転換できます。そう考えれば、自分らしさって出てきそうじゃありませんか?
「強み」という言葉に惑わされてはダメ
ライバルと差別化をするために自分の強みを表現しなければならない。
そう義務感のように考えれば考えるほど、行動できなくなってしまいます。やってみてうまくいかなければ「強みがないからだ」と自分を責めてしまい、負のスパイラルに陥ってしまう。
それではもったいないです。過去、僕自身も強み信者でしたけれど(汗)。
強みはどこまでいっても“自分発”のスペックです。どれだけ優れた知識を持ってスキルを備えていても、それがお客様の感情に寄り添えるかどうかは別の話。
かつて神童と謳われプロ経験があるサッカーコーチより、上手にボールを蹴れない悩みを理解してくれる近所のお兄さんを頼りたい子どももいます。「できる」人は「できない」人の悩みを自分ごとにできないともいいますよね。
また、知識やスキルを自分の強みに転嫁しようとするあまり、人はそれをひけらかそうとしてしまうものです。意識していなくてもいつの間にかベクトルが自分の方に向いてしまい、大切なお客様の感情を見失ってしまいます。
これでは本末転倒です。ですから過度に、差別化のために強みを演出しようとする必要はありません。
(なお、差別化と強みは微妙に異なる概念なのですが、説明しだすと長くなるのでここでは同様の意味で扱っています)
まずはお客様の感情にフォーカスしよう
自分に何ができるか? をサービスづくりの主眼に合わせてしまうと、往々にしてピントがズレたものになってしまいがち。それで多くの人に受け入れられるサービスを作れるのは、一部の勘のいい天才だけです。
僕らのような多くの凡人は何をすべきかというと、お客様の感情にフォーカスすることが大事です。
たとえば前述のように、自分がやっていることが果たして正しいのか? ちゃんと前に進んでいるのか? が分からず不安だから、毎日マンツーマンでフォローしてくれるコンサルティングサービスに価値を感じる人がいます。
これは不安を安心に変えたいという感情を満たすことができていますよね。
お客様の感情を言語化するために、いいトレーニング方法があります。それが、あるトピックを感情に置き換えてみること。
この方法は起業コンサルタント・今井孝さんの著書『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』に書かれていました。少し、引用して紹介したいと思います。
なぜ、人は旅行に行きたいのでしょうか?
(中略)いろんな理由があると思いますが、根本的には満たしたい欲求があるからです。
- ピラミッド →知的好奇心
- 美しい街並み →感動
- リゾート →安らぎ、リラックス
- 出会い →ときめき
- 一人になる →癒し
この文章では「欲求」と表現していますが、人がなぜものを買ったり体験したりしたいのかというと、感情を満たしたいからです。
ですから「この商品・サービスを通してどんな感情を満たせるのだろう?」と置き換える訓練を普段から行うことで、感情を察知する精度が高くなっていきます。合っている・合っていないは最初は問題ではありません。
自分の頭で考えて答えを出す。言語化してみることが重要です。
できそうですか? 身近に目に映るものからトライしてみましょう。たとえばコンビニでヒットしているスイーツ、なんか題材としていいと思います。
感情に「自分らしさ」を寄り添わせてはじめて価値になる
一見デメリットに思えることすら、あなたらしさになる、とお伝えしました。
そもそも何がメリットで何がデメリットかは見る人によって異なります。決して話し上手でない僕は自分の口下手に悩んだこともありましたが、今では逆に「口下手だからこそ話をよく聞く」ことを自分の価値であると認識しています。
聞いて欲しい・理解して欲しいというのが、人間が本来持つ性(さが)だから。
サービスの価値とはこうやって生み出すものだと思います。つまり、相手の満たしたい感情に「自分らしさ」をいかに寄り添わせるか、です。
一方通行の強みでは意味がありません。「ただオレの武勇伝を聞け」なんてサービス、誰も欲しがったりしませんよね。
お客様の感情を知るための方法
では、価値あるサービスを作るために、肝心要のお客様の感情をどう知ればいいのか?
普段からアンテナを張っておくこと…というだけでは端的にすぎるので、1つヒントをお伝えします。
それは、エピソードを聞き出すことです。人から話を聞いていくうちに、「ああ〜、そんなことにも困っていたんだ」「そんなことにも価値を感じていたんだ」という気づきを得たことはありませんか?
たとえば、今流行りの外食のデリバリー。
表向きは「自宅にレストランの味をお届けする」というメリットがありますが、主婦の方にとっては「毎日の忙しい家事から今日だけは解放される」という隠された感情を満たすことにもなります。
またこれは僕も経験があるのですが、会社に「こんなサービスを導入すると生産性が上がりますよ」という提案が外部業者からあったとき。
「確かに便利だし生産性はよくなるだろうけれど、稟議書を回して役員何人にも同意を取られなければいけないのが面倒」といったわずらわしさがあります。
もしこれに対して「役員を納得させられる稟議書づくりをサポートします」といった提案をもらえたら、「それなら頑張ってみるか」という気持ちになるものです。
物事には必ず、表立った欲求と表には出てこない欲求があります。人は得てして、自分が気づいていない欲求や悩みが解決されるほど喜びを感じるものです。そしてこれらは文字通り、聞き出して掘り起こさないことには捉えることができません。
見えないけれど確かに潜んでいる感情を知るには、一見面倒かもしれませんがエピソードのヒアリングを通して自分自身で“気づいてもらう”のが手っ取り早いです。
どういう場面で困ることがあるか? 不満を感じることがあるのか? 丁寧に聞いてみることをオススメします。それが、他にはないサービスづくりの種になりますから。
まとめ
今回は、「自分らしさ」に悩む起業家さんのための、一番簡単なサービスのつくり方と題してお伝えしてきました。
「差別化しさえすれば売れる」と短絡的になってしまいがちですが、ライバルとの関係性を考えるあまり、本質的に誰のためにもならないサービスを作っては本末転倒です。
まずは誰の感情を満たすものなのか? それに対して自分が寄り添えることはなんなのか? これを丁寧に考えることが結果的に近道です。
本記事のまとめ
- デメリットに見えるものも、お客様の感情にピントを合わせれば自分らしさに変わる
- 「強み」は得てして“自分発”の表現になりがち。過度に惑わされないことが大切
- お客様が心の内に抱えている見えない感情を、エピソードの中から聞き出してみる
と、改めて整理してみると自分もおろそかにしがちなことがいっぱい(苦笑)。自戒を込めて、僕も改めて価値あるサービスづくりに取り組んでいきたいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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