ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
今回は、これから起業したいと思っている副業家さんに向けた記事です。
先日、駆け出しママデザイナーの方から、こんなお悩み相談をいただきました。
「自分がプロと名乗っていいだろうか?」
「実力の及ばない自分が、サービスを高く売っていいのだろうか?」
とても、よく耳にするお悩みです。
相手がお客様である以上、「初心者です」などというのは不安をあおるのでご法度。もちろん感覚としては、この方もよく理解していました。けれどそうはいっても、自信が持てない、と。
このとき、僕がお伝えさせていただいたのが大きく2つ。
- お客様は圧倒的なプロに仕事を頼みたいのではなく、悩みや欲求を解決したい
- たとえ収益額が小さくても、副業感覚を抜け出さなければ自分の価値は上がらない
あなたも、このようなお悩みを抱えていませんか? もしそうなら今回シェアさせていただく内容は、あなたが今後、起業家へステップアップするうえでのヒントになると思います。
お客様が欲しいものは何?
ご相談いただいたこの方、控えめに見ても素晴らしいスキルをお持ちで、ビジネスマッチングサービスからイラストの仕事を受けたり、コンテンツ販売などをされています。
それでも、ライバルが多くいる中で自分の強みはなんなのか? 自分の実力が果たしてプロに達しているのか? ということに悩まれていたそうです。
ネットをビジネスの主戦場にする方にありがちなのが、ライバルを必要以上に気にしてしまうことです。特にSNSなどは自分の興味関心の領域と同じユーザーが表示されやすいから、なおさら。
嫌でもライバルの情報が目についてしまいます。
気になって仕方ないならSNSから少し離れてしまうのも手ですが、そもそも、ベクトルの向いている方向が違うんですよね。
見るべきはお客様です。お客様は圧倒的な実力を持った人が欲しいわけじゃない。自分の欲求や悩みを解消したい。シンプルにそれだけなんです。
お客様みんながみんな飛び抜けたプロを求めているのなら、世の中のほんのひと握りの人間しか仕事になっていないはずです。でも、現実はそうではないですよね?
お客様は相手が誰であれ(もちろん最低限の節度やマナーはあります)、解消したいことが解消されればそれでいいんです。
それに、あなたも買い手の立場に立てば理解できると思いますが、そこまで大それたプロに頼むほどじゃない。むしろ、そんな人には頼みづらい。もっと気軽に付き合ってくれる人の方がいい。という感情はないですか?
あなただから求められることが、必ずあるんです。
結果だけに満足するわけじゃない
「プロだからと、結果を求められるのが怖い」という声もよく聞きます。確かに、悩みを解消したい=理想とする未来を手に入れたいということですが、100%の結果って現実的に保証できないと思います。
注)だからといって結果は必要ない、ということではないのであしからず
また、今まであなたが手にしてきた商品・サービスにおいても、必ずしも結果が出なかったものだってあるはずです。だからといって、全部が全部、結果が出なかったことに不満足か? というとそうではないですよね。
たとえば、相手が親身になって一生懸命接してくれたとしたら、満足できたのではないでしょうか。
揚げ足を取るようですが100%の結果保証って人の人生を変えるレベルのことですから、本来値付けができないほどプライスレスな価値があるはずです。
どうしても痩せなければいけないという理由がある人が「1ヶ月で必ず10kg痩せる」ことを保証されたら、たとえどれだけ高額でもお金を出すと思います。でも、そんなものがあれば、かえって胡散臭いですよね。
懸命にお客様に尽くすことは大切です。しかし、肩をこわばらせてまで結果に怯えることは、逆にあなたのパフォーマンスを落としてしまいかねません。
ですから結果以上に、親切心や寂しさを埋めてあげること、楽しさを提供することなど、プロセスを通してお客様の「感情」を満足させることにフォーカスするといいです。
時給思考の罠
副業は本業を持ちながらリスクなく始められるというのがメリットですが、最大のデメリットはこれだと感じています。明確な離脱意識を持たないと、時給思考から抜け出せないことです。
多くの方が会社で働きながら副業をされていると思います。すると、会社で働いているうちは時給でお金が発生します。そしてこの時給が生活のベースになるわけですから、副業もそれに釣られて「時給思考」になってしまいがちです。
副業でお金を稼ごうというとき、本業の時給がベースにあるために、それ以上のお金を受け取ることにブロックがかかってしまいます。
たとえばこういうことです。
あなたの本業の時給が2,000円相当だとすると、副業がどれだけ価値ある仕事であっても、2,000円を基準に「もらっていい額かそうでないか」を判断してしまう。
2,000円が4,000円、6,000円程度なら大きな乖離がないですが、副業1時間分の働きで5万円がもらえるとしたら、どうでしょう? もしかして、怖く感じませんか? こんなにもらっていいのだろうか? と。
これが時給思考の罠です。
だからさっさと本業を辞めろ、というわけではありません。そもそもお金を稼ぐことに対して持っている考え方を、根本から変えなければいけないということです。
そしてこれができれば、「サービスを高く売っていいのだろうか?」という悩み=思い込みを解消することができます。
副業でも起業感覚を持つ
解答からいうと、お客様はあなたが1時間かけて仕事をしようが、30分だろうが、あるいは10時間だろうが、要した時間は見ていません。あなたが買い手であっても、見ていないと思います。
繰り返しになりますが、お客様が欲しいのは欲求・悩みを解消することです。これが解消されればそれでいいし、冷たい言い方かもしれませんが誰が相手でもいいのです。
でも、そう考えれば気が楽になりませんか?
僕も副業から始めたので副業を卑下するつもりはまったくありません。その恩恵も受けてきました。しかし、副業をしていても、本業に並ぶほどの収入になっていなくても、「起業している」という感覚を持った方がいいと思っています。
起業は時給ではなく「価値給」です。お客様の欲求・悩みにドンピシャリの価値を提供できるほど、高いフィーが発生します。すなわち、「サービスを高く売れる」ということです。
まあ、それが難しいんですけどね(汗)。
時間でお金が発生するということはなくなります。この感覚は、なるべく早い段階でかき消してしまった方がいいです。ぜひ、起業感覚を持ってください。
余談ですが、起業感覚を養うことができれば本業にも生きてくるはずです。なぜなら、自分が仕事に対してどれだけの価値を提供できているか? を考えるきっかけになるから。
価値給で仕事ができるようになれば、それがまた副業の方にも、好影響を与えることにもなりますね。
まとめ
世間的にも副業が認められ、ネットを開けば副業の情報でいっぱいです。今後も副業にチャレンジしようという人が増えていくと思います。
副業が副業のままでいい。そこまであくせく働かないでいいという人は、文字通りの副業感覚でいいです。
しかし、その先に起業という目標があるのなら、感覚だけでも「自分はすでに起業している」という意識を持ってしまうことですね。収益額の多寡ではありません。一刻も早く、時給思考から抜け出し、価値給思考へシフトするために。
今回は、起業志望の副業家さんが抱えやすい
「自分がプロと名乗っていいだろうか?」
「実力の及ばない自分が、サービスを高く売っていいのだろうか?」
というお悩みへの、解答シェアでした。
まとめ
- お客様は圧倒的なプロの力を求めているのはなく、ただ欲求・悩みを解消したい
- 結果だけじゃなくプロセスで満足させることも大事
- お客様は、売り手が仕事にかけた時間を気にしていない
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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