元編集者として800件以上を取材。質問力で実店舗・中小企業様を選ばれる存在に導く、地域特化Webコンサルタントの大鹿です。
今回は、自分が勝てる市場を作ろうというテーマで、お伝えをしていきます。
「中小規模のビジネスは、ニッチ市場を攻めることが大事」と言われますが、実際問題、ニッチ=隙間なんて、そうそう見つからないものですよね。あるいは、ニッチな分野を意識しているつもりだけど、いまいち売上につながらない(あれ? もしかして自己満足…?)ということもあるかと。
結論、あなたの目的は、売上を安定化させ、ブレない事業基盤を作ることだと思います。本記事ではそのゴールを達成するために、市場の隙間に「割り込む」のではなく「作る」ための考え方をお伝えしていきますので、参考にしていただけるとうれしいです。
答えは、とってもシンプルなことです。お客様の悩みを解決することー。
「市場」を考えることは、目的ではなく手段
市場というものについて考えるのは、非常に大切だと思います。
市場の規模がどれくらいあって、だからこれくらいの売上を見込むことができる。特にこの分野に専門特化して、コアな層を取り込んでいく。
綿密に練らなければいけないことではありますが、いつの間にか「ニッチな層に向けて専門特化すればいい」という、短絡的な考えになってしまっているケースも見られます。
「実践してみて、やっとうまくいくかどうか分かる」ということになるので、初期投資などを考えれば、非常にリスキーな考え方ですよね。
確かに、ニッチ市場に向けて専門特化することは、ウリが明確になって分かりやすいですが、それだけでは売上につながる根拠には、残念ながらならない。
これは、市場に対して「どう売るか?」という手段が、いつの間にか目的にすり替わってしまっていることが原因。あくまでニッチ市場を狙うことは手段でしかなく、売上につなげるためには、「どうしたら買ってもらえるか?」という根拠を作っていくことが必要だと思います。
悩みを解決すること=市場を「作る」こと
売上の根拠を作るためには、自分の商品やサービスが「誰の悩みを解決するのか?」、そして「どういう未来に導くのか?」ということを考えたいものです。
当たり前ですが、人は自分の悩み・痛みを解決したり、欲求を満たしたりするためにものを買います。ニーズ=必要性があっても今すぐ欲しいかどうかは別の話であり、市場というデータだけでビジネスが成り立つかどうかが分からないのは、このためです。
(もちろん、市場分析をすることは必要ですよ)
ニッチがどうこう…と考えるより、自分の商品・サービスによって長年の悩みが解決されるであろう人は誰なのか? そしてその人にアプローチする方法はなんなのか? を練る方が先だと思います。
ニッチ=隙間といっても、すでにある市場の一部分であることに変わりはないです。いくら小市場といっても競合がいますし、後発競合の脅威にも、さらされることになります。
けれど、悩みが解決される人を増やしていくことは、市場を「作っていく」ことにほかなりません。まずは困っている人1人からなら、リスクも限りなく抑えられますし、レビューを拾って、商品・サービスを丁寧に改善していくこともできますよね。
「自社の商品・サービスで悩みが解決される人が見つからない」ということであれば…あなたの市場の1人めは、家族や親戚、社内など身近な人間でもいいです。
小さくテストと改善を繰り返し、お客様の声を集めていけば、いまはネットという告知手段もありますし、時間はかかりますが広めていくことはできます。
(逆に、テストも何もない状態で、宣伝費をつぎ込む方がリスクが高い)
さらに、「買ってもらう」というステップにお客様を導くにはコピーライティングというものも必要になってくるので、ぜひ身につけていただければと思います。
コピーライティングは、地域で商売をしている人だからこそ身につけやすいものだと、僕は考えています。それについて以下の記事で詳しく書きましたので、ぜひ併せてお読みください。
思い切って雑音を捨てることが近道
市場を作ること=悩みを解決すること。非常にシンプルですが、これを少しずつ大きくしていけば、あなただけが独占できる「勝てる」市場にしていくことができます。
一般的な市場でいう競合や流行りといったものが、気になることもあると思います。しかし、本来の目的は売上を作っていくこと。あなたの商品・サービスを好きになってくれるお客様に目を向けることが、何よりも優先ですよね。
市場比較という目線では、「何を売るか?」に注視してしまいがちです。これを、先ほどもお伝えしたように「お客様にどうしたら買ってもらえるか?」に転換したいものです。そうすれば、競合・流行りといった雑音が聞こえなってくるはず。
ビジネスを成長させていくヒントは、競合や流行りではなくお客様のなかにしかないです。競合や流行りを分析することも大切ですが、そればかりが目について優先すべきことが疎かになることの方が、結果的に大きな機会ロスになります。
いま集中すべきことは何なのか? しっかり考え抜いて、雑音は思い切って捨てていきたいものですね。
まとめ
冒頭でも買いたように、ニッチ市場なんてそうそう見つからず、一見ニッチだと思えたものの、そこに市場すらなかったということも、ザラにあります。尖った打ち出し方をしても、そこに買ってくれる人がいなければ、自己満足に終わってしまいます。
市場を「作る」ことは地道なように見えますが、小さなところからスタートできますし、テストと改善を諦めなければ、「勝てる市場」に成長していきます。
- 市場に「どう売るか?」は目的ではなく手段。本来の目的は市場そのものではなく、「どうしたら買ってもらえるか?」という根拠を作っていくこと。
- あなたの商品・サービスによって悩みが解決される人を1人ずつ増やすことが、市場を作るということ。
- 競合や流行りといった雑音を思い切って捨てる。ビジネスの成長のヒントはいつもお客様のなかにあり、商品やサービスを好きになってくれるお客様を増やすことが、「勝てる市場」を作ること。
繰り返しますが、あなたの目的は売上を安定化させ、ブレない事業基盤を作ることのはずです。市場に「割り込む」から「作る」。考え方を少し変えるだけで目的が明確になるので、まずは「お客様の悩みを解決する」という原点に、立ち返っていただければと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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