ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
いきなりですが、「マーケティング」って捉えどころのない言葉ではありませんか?
たとえば、市場調査はマーケティングに必要なことですが、マーケティングのすべてではありません。集客=マーケティングでもありません。集客はマーケティング施策の結果のことです。
ではなんなの? というと、よく言われるのは
「商品・サービスの前にお客様を引き寄せること」
(引き寄せてから売るのは「セールス」)
なのですが、これでも抽象的でイマイチ腑に落ちませんよね(苦笑)。なぜなら「引き寄せる」こともマーケティングを行なった結果だからです。もどかしい…マーケティングとは具体的に、何をすることなのか。
もしかしたら一般的にいわれているマーケティング論ではないかもしれませんが、僕がメンターから教わってきた、誰もが腑に落ちるマーケティングの考え方を今回はお伝えさせていただきます。自分の頭を整理する意味でも。
ぜひ最後までお楽しみください!
お客様に気付きを与え、新しい習慣をつくること!
ズバリ、マーケティングとはお客様の生活(仕事を含む)に新しい習慣をつくることです。今回はそのように定義させていただきます。
まだ、抽象的ですよね? では普段意識せずやっている習慣を、思い返してみてください。
目を覚まして、ニュースでも見ながら朝ご飯を食べて、家族と話をして、歯磨きほか身支度をする。人によっては朝勉や筋トレ、ジョギングや犬の散歩に行くかもしれません。
これらのことって当たり前にしているようで、実は当たり前に存在していたものばかりではないです。朝ご飯や身支度は古来からの習慣なのでともかく、ニュースを見るのはTVが誕生してから。
筋トレをするのは、それまでの人生のどこかで「健康を維持したい」「痩せたい」「体を鍛えたい」などといった、気付きがあったからのはずです。つまり、従来はなかった習慣。
繰り返しますが人生のどこかの時点で「筋トレをしなければ」という気付きを得て、場合によってはネットで検索して、筋トレグッズを買ったことと思います。
この「気付き」って、どこからやってきたものでしょう?
ネットやTVや雑誌や、もしかしたら人からの紹介だったかもしれません。あるいはジムに通っている人なら、街頭で配られるチラシによって気付きを得たのかも。
このような、日常であなたに気付きを与え、新しい習慣にする活動のすべてがマーケティングです。
もちろん、気付きを得たからといって習慣にするとは限りませんよね。
「やってみたい」「体験してみたい」「買いたい」という欲を人に起こさせることがマーケティングの精度を高めることなのですが、今回は「気付きと習慣を与えること」にとどめておきたいと思います。
朝のニュース感覚で発信する
では、お客様に気付きと習慣を与えるには?
リアルとネットを併用してさまざまな媒体で情報発信する。広告を使う。コピーライティングを駆使する…いろいろな考え方がありますが、その前に考えたいのは「習慣をつくる」ことです。
また、朝見るニュースを思い返してみてください。(どのニュースを見るかはともかく)朝8時きっかりに始まるから、「待ってました」という感覚で見るのではないですか?
そしてそのうちに、「待ってました」から、考えるまでもなく「見て当然」という心理に変わっていくはずです。これはマーケティング側から見ると、ニュース視聴者がマーケティングされた、ということになります。
つまり習慣に成った、ということですね。
マーケティングとはお客様に、今までなかった新しい習慣をつくることです。「痩せたい」という気付きを起こさせ、朝の30分を使って筋トレをさせることができたら、マーケティングは成功です。(めちゃめちゃ簡単に説明すると、ですが)
たとえばあなたがSNSで、毎朝30分間の筋トレをして、3ヶ月で10kg痩せるという道のりを発信し続けたら、誰かの習慣が変わるかもしれません。自分も朝の30分を使って、筋トレをしよう。この人のやり方を真似て、と。
言い方は不適切かもしれませんが、このようにお客様の習慣に割り込むようなアイデアを考え実行することが、マーケティングの具体的な施策になります。
これはSNSに限らず、マス媒体やチラシ、ダイレクトメールなどを使っても可能です。お客様が普段目にするものは何か? そしてそれと自分の商品・サービスの相性がいいのはなにか? を考えて宣伝ツールを選ぶことが重要になります。
情報発信の三原則を駆使する
細かく言い出したらキリがないのですが、マーケティング施策を考えるうえでの原理原則をお伝えしたいと思います。
それが、「情報の三原則」を駆使するということ。ちなみに、これは他で調べても出てきません(笑)。メンターの長綱茂雄さんから、繰り返しお聞きしていることです。
三原則とは何かというと…
- 面白い
- 役に立つ
- 感動する
これらの情報が、1つないし3つすべて、施策の中に織り込まれているかどうか。
当たり前といえば、当たり前のことではあります。しかし逆に、
- 面白くないし、
- 役に立たないし、
- 感動もしない
情報ってどうでしょう? 絶対見向きもしないですよね(苦笑)。チラシなら、即ゴミ箱行きです。
それに、「誰にとって」面白くて・役に立って・感動する情報なのかが明確でないと、この三原則は生かされません。リサーチ(市場調査)が大切だ、といわれるのはこのためです。
顧客像の輪郭がくっきりしないことには、三原則を満たす情報を届けようがないですよね。
誰に+「面白い」「役に立つ」「感動する」要素を届けられるか
まず何より、これを意識してマーケティングのアイデアを考えてみてください。
出し惜しみしないこと!
マーケティング施策を考えるときにありがちなのが、お客様に情報を出し惜しみしてしまうことです。ありていに言えばケチな発信をして、大事なポイントを上手に隠しながら、お客様の興味関心を掘り起こしていくケースが多い。
ありませんか?小出し小出しに情報を開示していくようなキャンペーンって。
確かに、マーケティングでは「ギャップ」が大事といわれます。商品・サービスの期待値が低いところから、徐々に徐々に高めていく手法を取ります。期待値の頂点が商品・サービスになるわけですが…
この手法の弱点は、商品・サービスのクオリティが高くないとき、お客様の事前期待を必要以上に裏切ってしまうことです。この手のやり方は緻密にスキームが組まれているので、経験のない方がいきなり取り組むと、おそらくうまくいきません。
なぜなら、先ほどお伝えしたように出し惜しみしているからです。考えてみてください。良い情報を出し惜しみするような人の商品を、喉から手が出るほど欲しいですか?
(上記の「ローンチ」と呼ばれるマーケティング手法は、巧妙に出し惜しみ感が見えないようになっています)
マーケティングどうこうではなく、ビジネスの原点はそもそも圧倒的な価値提供です。「こんなにもらっていいの?」というほどお客様に与えること。
「これほど良くしてくれるんだから、商品も良いもの・自分に役立つものに違いない!」
と、感じていただくことが何よりも大事です。
まとめ
仕事として専門的に取り組み、勉強も続けながら今なお、僕もマーケティングという概念を説明するのは非常に難しいです(笑)。
どんどん小難しくなっていっているのも事実。だからこそ、これからマーケティングについて考えるあなたには、一度シンプルに、マーケティングの要点をとらえ直していただきたいと思います。
今回のまとめは以下の通りです。
- マーケティングとはお客様に気付きを与え、新しい習慣をつくること
- 面白い・役に立つ・感動する情報を盛り込むこと
- 出し惜しみせず、圧倒的な価値をお客様に与えること
以上の3つのポイントをヒントに、マーケティングをビジネスに活用していただければと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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