ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
誰でもどこでもいつからでも、持てる才能を100%発揮するためのお手伝いをしています。
最近は考えなくなったのですが、特に起業の前後は「自分の唯一無二の強みってなんだろう?」「どういう強みなら人から選ばれるのだろう?」と考えてばかりでした。
特に今はネット社会で、“強い人”は見渡せばキリがないです。そのような中で、唯一無二の絶対的な強みを発揮するなんてムリなわけで。
自信を持って「はい、私の唯一無二の強みはこれです」といえる人なんて、ひと握りだと思います。そもそもそれって、本当に必要なのでしょうか?
自分の強みについてお悩みの人へ、本当にフォーカスしたいことについてお伝えしていきます。
「強み」はどこまでいっても“自分発”のもの
強みとか個性とか差別化とか才能とか、自分の秀でた部分を表現する言葉が乱立しています。
自分に得意なことがあるのは素晴らしいことだと思います。さらにそれを伸ばすために努力し続ける姿もまた、美しいものだと思います。
けれども、あなたにとって価値ある「得意なこと」「できること」を強みとか個性とか差別化とか才能といった言葉に置き換えた瞬間、誰のためのものか分からなくなる。これって、自分やあなたに関わってくれる人にとって、幸せなことでしょうか?
誰かと比べるために無理やりひねり出したような強みは、どこまでいっても“自分発”のスペックです。そんなものを求めるから、かえって他人との差を感じてしまうのだと思いませんか?
お客様にとっては強みなんて関係ない
日頃からお世話になっているものもあるのであまり糾弾めいたことはいえませんが、家電を思い浮かべてみてください。
他社製品と差別化するために、ペタペタペタペタ機能がくっ付いて、何が何だか分からない。買ったところですべての機能を使うことなんてまずない。便利さを追求するあまり便利さが失われてしまう製品も多くありますよね。
「これだ」と思う強みをゴテゴテ付け足そうとしたり、挙げ句の果てには盛ってしまったりすることは家電の発想に近いんです。
でも「これもお客様にとって便利だから。あれも、それも」とオプションを追加していくうちに、あなたが本当に役に立てるポイントがくぐもってしまいます。
言い方を変えれば「いつまでも求められないことばかりして、時間と労力を浪費してしまっている」ということです。
厳しいかもしれませんが、お客様にとっては、人工的に取り付けた強みなんて関係ないといえます。事実、あなたがお客様の立場であれば、そこまで相手の強みを気にしていないはずです。
ちなみに以前テレビ番組で見たのですが、ディスカウントストアのドンキホーテは既存の家電製品から「いかにムダな機能を省くか?」を考えて、安価で機能性の高い商品をつくっているそうです。
いらない強みはバッサリ切り落として、役に立つ機能だけを残す。このほうがよほど、ユーザーにとって親切だと思いました。そもそも家電の「強み」なんて見ていませんよね。どれだけ使いやすいか? のほうが大事なわけで。
特別、唯一無二というわけでもない。しかしシンプルに役に立つ。
人間自身も1つの商品なのだとしたら、情報過多・機能過多のこの時代だからこそ、ドンキホーテ的発想で原点に立ち返るのも大切なのではないでしょうか?
あなたが自分を生かせる場所は?
絶対的な競争の中に飛び込んでは、他人との差を感じたり唯一無二の個性を欲しがってしまう。この問題の根本的な原因は、
自分を生かせる場所を見つけられていない
ということだと思います。
またドンキホーテを例に出しますが、ドンキホーテの家電は家電業界でトップシェアを狙うためのものではありませんよね。大手家電メーカーと競い合うのではなく、「人々の生活を豊かにする」というマーケットが、ドンキさんの市場なわけです。
もっと切り分ければ、ディスカウント業態であり、総合スーパー業態でもありと、さまざまなレイヤー(階層)でセグメントすることができます。
その中で魅力を放っていれば、たとえ単品の商品力は各分野の大手企業に劣っていたとしても、お客様はドンキにやってきます。ドンキさんの売場って、見ているだけでワクワクしますよね。
「ドンキだって全国規模じゃん」と思われたかもしれませんが、地方のスーパーや小売業にだって、その街の中で魅力的なポジションを獲得している例はいくつもあります。
たとえ規模は零細であっても。あなたの住む街にもありませんか?
同じように、あなたが自分を生かせる場所さえ見つけることができれば、できることや得意なことは「比較的、他より上手」くらいでも通用するんです。
手前味噌で恐縮ですしこんな調べ方をする人はマニアック以外の何者でもないですが、、先日、僕の住む香川県の方が「高松 コピーライター」と検索して仕事を依頼してきてくれました。
「どうやって僕のことを知ったんですか?」とお聞きしたら、わざわざ検索してお問い合わせしてくれたことが分かって。しかも、「頼める人がいなかったので本当に助かりました」とまで言ってくださったんですよ!
思わず僕も有頂天になっちゃいました(笑)。コピーライターと名乗って活動している人は僕の地元では少ないですし、ホームページで発信している人はなおさら希少らしいです。
このブログを読んでいただければ分かる通り、僕より文章が上手い人なんていくらでもいます。それでも、高松という、僕がエネルギーを発揮できる場所で陣取っていたら仕事につながった。
(僕より上手い人はいくらでもいますが、自分にできうる限りの仕事はしましたよ)
もちろん、エネルギーを発揮できる場所には社会的なニーズも伴います。誰にも求められない場所で求められないことをやっていても、それはビジネスではありませんから。
場所を見つけるという作業はヒジョーに地味です。また簡単に得られるものでもありません。
しかしながら多くの人が見過ごしがちなことですから、ちゃんとやればそれだけで「あなたのマーケット」を獲得できるということです。
あなたがついついやってしまうことは?
少し本筋から逸れるのですが、面白い見解があります。
「才能の研究者」として知られる佐野貴さんという方が、人間の持つ才能の源泉を
ついついやってしまうこと
と形容されていました。適正診断などで有名な「ストレングスファインダー」を、佐野さんなりに表現したものだそうです。
得意なことでも、できることでも、強みや個性といったものでもなく、ついついやってしまうことです。あなたにはそういった行動のクセはありませんか?
- 気になったことは調べ尽くさなければ気が済まない、とか
- 人にあだ名をつけがち、とか
- 「なんで?」が口グセ=理由が気になってしまいがち、だとか
やってしまいがちで自然にできてしまうことに対して、あなたは劣等感なんて、何ひとつ感じていないと思います。
それでも、「調べ尽くしたい」という欲求はリサーチする才能に変わるし、あだ名をつけがちならキャッチコピーの才能があるということだし、理由や背景が気になって仕方がない人は、物事を深く理解しようとする才能があるということです。
この話を聞いて僕自身、「才能なんて(ある種)そんなものなのか」と気が楽になりました。それと同時に、まだまだ自分の中に、気づいていないクセ=才能があるかも? と期待したり(笑)。
ちょっとしたコペルニクス的転回だと思いませんか?
強みでも才能でも個性でも呼び方はなんでもいいのですが、それらは取ってつけるようなものではなく、すでに持っている、ささいなクセのようなものなのだから。
あなたがついついやってしまうことはなんでしょう?
100分の1を3つつくれば100万分の1
あなたが他人に役に立てる、本当の意味での「強み」がなんなのか? は分かりません。また、残念ながら記事が長くなってしまうので、強みの定義や磨き方について詳しくお伝えしきることもできません。
もし、お悩みでしたらお気軽に無料相談をご利用くださいね。お待ちしています。
最後に1つお伝えしたいのは、僕も好きな考え方なのですが
100分の1を3つつくれば100万分の1の存在になれる
というものです。
たとえ、ある分野で1万人に1人の人材にはなれなくても、100人に1人なら十分に手が届く距離です。そしてそんな100分の1を3つつくれば、1/100×1/100×1/100で100万分の1の人材になることができます。
1つは、今あなたが比較的自信を持っていることになると思います。では、そのほかは?
先ほどご紹介した「ついついやってしまう才能」かもしれません。自分では気づけなかった、周囲の人やお客様が教えてくれたことかもしれません。
これって強みっていえるものなのか? スキルといえるものなのか? と疑問を感じている資質も、あなた以外の人にとってはうれしい結果をもたらすものかもしれません。
上手に伝えられないのがもどかしいのですが、僕は「話を聞くのが上手」と言っていただく機会がとても多いです。職業柄、聞く仕事を経験したというのもあるのですが、割と最近まで
「『聞く』だなんて、そんなフワッとしたことが自分のストロングポイントなのか?」
と疑問に感じていました。でも、「聞いてくれてよかった」「助かった」という声を聞かせてもらうたび、これが自分の強みの1つだと気づくことができたんですね。
唯一無二の強みとは! みたいな語気を強めて自問自答をするほど、自分のことが分からなくなります。「こうでなければいけない」と無用な強迫観念を抱くことにもなりますし、自分で自分の可能性をせばめてしまうことにもなりかねないです。
余計な情報や外野は取っ払って、本当のあなた自身や身近な周囲から、自分を生かせることを見つけてみませんか? 絶対に、ありますから。
まとめ
上を見ればキリのない世の中で、なまじインターネットが発達して“強者”と呼ばれる人と簡単につながることができるのが現代です。
便利ではあるのですが、情報を得やすいがために自分のあり方について悩んでしまう人は多いです。僕もその1人でしたが。
決して誰かとの相対で、自分の価値を見積もらないでください。唯一無二だなんてものを求めようとするから苦しくなるんです。
大丈夫。あなたにはあなたを生かせる場所が、きっとありますから!
今回のまとめ
強みはどこまでいっても自分発のもので、人は案外気にしていない
人より比較的できること・得意なことも、生かせる場所に投入すれば輝く
100分の1を3つつくれば、100万分の1の人材になれる
あなたがすべきことは、お金をかけて勉強を繰り返しスキルを磨くことよりも、今回お伝えしたように考え方を変えてドンドン人に接することでは?
ご参考になればうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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