SNSや動画といった手段ばかりが取り沙汰されがちですが、集客にはそれを実行する本人の地力が何よりも大切です。集客とは、その地力と手段の掛け算。
世の中のトレンドや外部環境に左右されないためにも、集客できる力を身に付けていく事は、起業家にとって至上の命題だと思います。
集客に欠かせない地力について、3つのポイントをメンターから教わりました。そして今もこれらのポイントに因数分解して、特にセミナーやイベント等をする際は集客に生かしています。
知らしめ力・巻き込み力・移動力
これら集客に必要な3つの力について、今回は余すところなくシェアしていきます。
MSP×露出=知らしめ力
いきなりわかりにくい言葉が出てきて恐縮ですが、MSPとはMe Selling Proposition、要約すると「自分自身のウリ」のこと。
類義語としてUSPがあります。これはMSPの焦点が「誰」だったのに対し、モノ、つまり「商品やサービスのウリ」を指します。
モノがあふれている現代においては、ちょっとやそっとのウリでは選ばれることが難しい。しかし、「誰」と言う人間的価値を軸にすれば、比較のされようがありません。
あなたにも必ずあるはずです。モノではなく自分自身のウリ。「〇〇ならあの人を頼っておけばオーケー」というものが。
MSPについては、過去の記事「USPよりMSP〜モノの機能で買いますか? 売ってる『人』で買いますか?〜」で詳しく解説しているのでよければご覧ください。
このMSPを社会に向けて発信することが、集客の力その一、知らしめ力です。
子難しく言っていますが、自分のことをちゃんと世の中に知らせましょうね、と言うことです。どんなに優れたものを持っていたとしても、知らせなければ伝わる事はありませんよね。
例えば、ブログを書いたら、しっかり表に出す。お店をオープンしたらチラシを使って地域に知らせる。そんな事と同じです。
どちらかと言うとマインドセットの問題で、必要な人に知らせる活動ができているか。それもしつこくです。
1度や2度発信したからといって、残酷なようですが、他人は見てもいません。3回、4回、5回、そして10回と知らせてようやく「この人間が言っていることを知らなきゃマズいんじゃないか?」と言う感情が芽生えるものです。あなたも情報を受信する側としてそのような経験をしたことがあるのでは?
大事なのは、知らせるのは当たり前であり、必要な人に確実に届くように「超」知らしめることができているかどうかです。
こう書き出してみると自分自身「超」できているかと言うと我が身を疑うばかりですが。(汗)
自分のことを超知らせることって普段からやっていますか? これには、SNSなど単一の手段だけでは全く足りないと思います。オンラインもオフラインも、発信することも直接アポを取って出会うことも、全てを掛け合わせて計算ずくでやっていく必要があります。
いや、計算ずくなどと考えて動けなくなるくらいなら、ひたすらガムシャラに行動するぐらいの方がいいかもしれません。
「知って欲しけりゃ目立ってナンボ。しかし戦略的に!」の記事でも書きましたが、人の脳内のシェアを独占するくらいの気持ちでとことん知らしめていく必要がありますね。
知らしめ力×物語=巻き込み力
集客力とは究極、「人を味方をつける力」だと考えています。そこで第2ステップは、この味方を増やすために何をするか? です。
サッカー元日本代表の本田圭佑選手はまだ若い頃から、(当時海外のトップチームであった)「レアル・マドリードで背番号10番をつける」という目標を公言していました。
結果それは叶いませんでしたが、彼が海外でどんどんステップアップを果たし、代表戦でも常に「ここ一番」の劇的な活躍をする姿に胸を躍らせた人は多いと思います。
なぜ日本の人々が熱狂したのか? というと、本田選手が持っていた「レアルの10番」というぶれない「物語」に心惹かれたからに他ならないでしょう。
世界に出て(「知らしめる」)、「物語」をそのビッグマウスで発信し続ける。そんな彼には僕たちイチ日本国民はもちろん、多くのスポンサーも強力なバックアップを惜しまなかったはずです。
雲の上の存在ながら、僕も同い年のスターにたくさんの勇気をもらったものです。
しかし、本田選手の目標がただ「海外で活躍したい」(どれだけ?)、「お金持ちになりたい」(なぜ?)ではここまで熱狂しなかったのではないでしょうか。
「レアルの10番」=世界最高のプレイヤーとなって華々しい舞台で活躍するというサクセスストーリーがあったからこそ、支持者が絶えなかった。つまり「巻き込む」ことができた。
先にご紹介したMSPにも通じることですが、僕たち固有の物語にはReason Why=なぜそれをしなければならないのか? という理由の深掘りがカギになります。
深掘りが甘いということは具体的でない。曖昧なことを人は自分ごとにできないものです。
自分自身の物語を深掘っていくにはいろいろなやり方があります。正解はないのですが僕が取り組んでよかったと感じているのは
過去最高の体験と過去最低の体験を振り返る
ことです。
「あのときのこの体験が忘れられないから、自分もそんな世界観をつくりたい」
「過去の失敗や挫折、葛藤があったからこそ、同じように悩む人を減らしたい」
このような想いはありませんか?
恥ずかしながら僕がチョイスしたのは最高の体験です。
コロナ真っ只中で地元の香川にUターンし、久々に目にした瀬戸内海の穏やかな海。このときの光景がまぶたに焼きついたまま忘れられず、いつしか「子どもの頃から変わらない瀬戸内海の景色のように、地元の街が『美しいものがありのまま輝ける』場所であってほしい」「そのための手伝いが自分なりにできれば」という想いに変わっていきました。
ちなみに大きな声ではいえませんが失敗も数々してきています(苦笑)。
ポイントは「映像で浮かぶくらい」の出来事をトリガーにすることです。くっきり鮮明に浮かぶことは、言葉でも説得力を持って語ることができますから。
「レアルの10番」。サッカーを知らない人には申し訳ないですが、あの白いユニフォームには神聖な趣きさえ感じます。きっと若き日の本田選手にも、あのユニフォームを着てピッチを駆けるスターたちが眩しく目に映ったのでしょう。
あなたにはどんな物語がありますか?
巻き込み力×モチベーション=移動力
第3ステップに必要なのはモチベーション。
まさに本田選手が持ち前のビッグマウスで「レアルの10番になる」「W杯で優勝する」と公言したように、関わる人を鼓舞し続けることです。
僕はかつて営業マンをしていました。営業をしたことがある方ならわかると思いますが、「自分が好きになれない」商品ってやっぱり思うように売れないんですよね(汗)。
自信を持ってセールスができない。それはモチベーションを高められないから。するとお客様にもそれが伝わり、買ってはもらえない(「移動できない」)。
またビビって発信できないのも考えものですね。それこそビッグマウスで語れるくらい、臆さずブレずに発信できるかどうか。
モチベーションとは夢の大きさ、と言い換えてもいいかもしれません。
本当に実現したい夢なのであれば、臆さずブレずに語ることができると思います。そうでないのであれば、掘り下げができていないか、他人の夢をなぞっているだけなのかもしれない。
アウトプットしてみることがいい訓練になると思いますよ。まだ言語化がおぼつかないのであれば自分のためにアウトプットしてみるのもいいです。
ブログを書いてみる。紙に書き出してみる。センテンスの流れや日本語の正しい・正しくないなんか気にせずダダっと! アウトプットしてみてください。
スラスラ吐き出せるようであればそれは夢の萌芽です。そうではなくて、ただただ書き出すのが苦しかったり言葉が出てこないのであればそれは本物ではないかも。
また、他人の夢をなぞるのではなく重ね合わせてみるのはいい手段です。いろんな人と会ったり発信を見聞きしたりしていけば、自分の中の想いが研ぎ澄まされていくことがあります。
「そうか、こういうことだったのか!」と。その気づきがあなたのモチベーションの源泉に変わっていきます。
だいぶ集客とはかけ離れた内容のように感じるかもしれませんが、そもそも苦もなく集客ができる人の共通条件ってなんでしょう?
周りに味方が自然と吸い寄せられてくるような人って、魅力にあふれていたり、静かでもアツいものを持っている人ではありませんか? そして人と会うことを惜しまないなど、一見面倒なことを誰よりもこなしています。それも「超」です。
人の感情を、そして文字通り肉体を「移動」させられるほどのモチベーションを持っているでしょうか? 「なんとしても」。そんな夢や想いが味方を増やすことにつながるのだと思います。
まとめ
今回、この「集客の地力」についてアウトプットしてみて、僕自身気づきがありました。
苦もなく集客に成功したときって、やっぱりMSP(人間的価値)や物語やモチベーションといった条件が十分満たされているときだな、と。使ったツールがなんだということに関わらず、です。
逆に、集客がうまくいかなったときは案の定、不十分で。形にこだわってしまったり、自分ごとのはずなのにどこか他人ごとのようにやってしまっていたり。そりゃあ、失敗もしますね(汗)。
手段はあくまで集客のかけ算を大きくするもの。1に100をかけるより、100に100をかけた方が当然効果は大きくなりますね。地力が0なら、残念ながら何をかけても0です。。
だからこそ、どんな状況でも揺るがない地力をまず磨く!
知らしめ力・巻き込み力・移動力
集客に取り組むときはこの3つのキーワードが満たされているかどうか、チェックしてみてください。
僕もまだまだだな、と思わされました。一緒に、がんばりましょう!
コメント