「企業経営者とパイプをつくりたい!」
と、異業種交流会めぐりをしては「結局出会えない」という落胆の声をよく聞きます。
これはまァ、当たり前といえば当たり前で。異業種交流会はそもそも小規模の事業者や個人事業主がアライアンスを組むために集まる場所なので、いわゆる企業経営者はそうそういません。
クローズドな会合にはいても、オープンな集まりで出会うのは難しいです。運よく出会えて一方的に自己紹介をしてもその場限りの関係になるのが普通でしょう。
さすがに大手企業となると難しいと思いますが、僕自身が実践したり人からお聞きした「社長と会う」ための成功事例を、こっそり! シェアします。
社会性・地域性のある取り組みをする
なぜ社長と運よく出会えてもその場限りの関係で終わるのか、そもそも考えたことはありますか?
答えはこれまた当たり前なのですが、「おたくに構っている暇などない!」「どこの馬の骨かわからない!」からです(汗)。
少なくとも僕の知っている社長さんは「知りもしない人間と会うことに価値を感じていない」のです。残念ながら。
仮にどれほど僕だちが優秀であっても、それを伝えるのは難しいものです。
では、受け入れてもらうために何をすればいいのか? というと、誰にでもできてパワフルなインパクトを示せるのが「社会性・地域性のある取り組み」です。
企業もCSR活動やSDGsといった、社会性のある取り組みをしていますよね。それだけ、相手にとっても関心事なのです。
社会性・地域性のある取り組みと、ひと口に言っても幅広いのでご参考までに僕が取り組んだことをご紹介します。
それは地元の地域メディアの運営です。地元のお店や施設、人を紹介するウェブメディアを立ち上げ、一時期は取材活動に明け暮れていました。
これ自体が大きなお金を生み出す事はありませんでしたが、ウェブを使った地元の活性化と言うことで自分の名刺がわりになりました。後述するようにこのメディアで社長に取材依頼を申し込むことで「合法的に」出会うことができました。
今も記事制作を外注して細々と続けています。
これは僕自身が会社員時代にタウン情報誌の編集者をしていたことから始めたことです。あなたにもあなたなりに、過去の経験や強みを活かしてできる取り組みがあると思います。
頭を柔軟にして考えてみてください。大事なのは文字通り社会性がキーワードになるので、利益を追い求めるのではなく信用残高を作るためにやることととらえた方が良いです。
手紙を書く
ここからは、社長と出会うための具体的な手法をお伝えしていきます。
まずは手紙を書くこと。「なぜ、この時代に手紙?」と思われたかもしれませんが、そこがミソです。
誰もやらないことだから、あえてやる。それも、定型文のコピペではなく、会いたい人に向けてパーソナルな内容を伝えることが超大事です。
相手の会社の取り組みについてリスペクトできること、社長が自ら情報発信をしていれば共感できることなど、切り口はいくらでもあります。
実際に、以前聞いた話ですが、僕の地元のある地場産業の社長に向けて手紙を書いた方が、協業をすることになったと言う事例もあります。お相手の方も、若い人間の力やアイディアを欲していたそうです。
ですが、やってはいけないのはいきなり売り込むことです。見ず知らずの人間からいきなり売り込みをかけられたら、あなたならどう思うでしょう? 間違いなく相手を即座に避けますよね。ダイレクトメールを送ってもゴミ箱行きにされるのはこのためです。
ですから、尊敬の念を示したり、共感をしたりといった人間的な付き合いから始める必要があります。逆説的に聞こえるかもしれませんが、仕事になる・ならないではなく、長期的に信頼しあえる関係を作っていくことが大切だと思います。
「取材」をお願いする
これは実際に僕が取った手法です。もともとインタビュアーなので得意な事でもあります(笑)。
ですが、何も僕のように地域メディアのために取材をするといったことに限る事はありません。
例えば、「地元で活躍する社長を紹介する冊子を作っています」「企業のSDGs活動を紹介するコンテンツを作っています」など、話の持ちかけ方はいくらでもあります。
ここでも重要なのが、社会性・地域性のある取り組みのために取材をお願いすると言うことです。
ビジネス色が出た途端に毛嫌いされる事は多いですが、社会のため地域のためといった切り口なら話に乗ってもらいやすいですね。
またこれは二次的な効果ですが、取材コンテンツは多くの場合、相手の方が進んで拡散をしてくれます。すると、信用のある企業が拡散したということで、あなた自身の認知度アップにもつながります。
商品を買う・使う
さすがに家や車といった高級商材は難しいですが、パイプを作りたい企業の商品・サービスを使うのは当たり前のマナーです。
また、企業に対してお客様と言う立場を得ることもできます。ユーザの声を聞きたいと思うのは、あなたもそうであるはずですが事業主として当然のことですよね。
取材依頼をしたり、例えば自社のチラシを置いてもらったりする時も、お店を利用して、1人のお客様になっておいた方が成功率は高いものです。
もし、商品に手が届かない・すぐに利用できないといった場合は、最低でも知りたい相手の情報をくまなく調べるようにしましょう。文字通り、くまなくです。
ホームページの内容はもちろん、入手できる限りのインタビュー記事や雑誌の記事などに目を通し、徹底的に相手のことを知ります。
だって、自分のことを深く深く知ってくれていたらやはりうれしいものではないですか。共通言語も育まれます。
逆に、最低限の情報も頭に入っていないような人間とは関係など作ってくれません。総じて、商品を買える・買えないにしろ、打算抜きで、相手のために時間を使うことを惜しまないようにしましょう。
SNSやマッチングアプリでつながる
イマドキなやり方ですがSNSやビジネスマッチングアプリで社長と出会うこともできます。
ただし、それらのユーザー層はきっちり見極めるべきです。そもそも、企業経営者が使っていないツールを使ったところで出会うことなどできないからです。
例えば、Instagramは見る専で使っている人はいるかもしれませんが、経営者が経営者の立場で発信しているアカウントは決して多くないです。Facebookは個人利用している経営者も多いですが、リアルなつながりがないと知り合うことが難しいです。
X(旧Twitter) は経営者が情報発信をしているケースが多いですね。
また、Microsoftが親会社を務める、ビジネス特化型SNS・LinkedInは個人的にオススメできるツールです。有料でないと正直使いこなせませんが、企業経営者が分け隔てなく交流をしていてつながりも作りやすいと実感しています。実際に僕もLinkedIn経由で何人か社長さんとお会いしてきました。
これもやはり見ず知らずの人間といきなり会ってくれる事はまずないので、交流を深めて、長期的に取り組む姿勢が大事です。
また、あなたのビジネス以上にあなた自身が持っている価値観や考え方をしっかり発信するようにすると良いです。そこに共感が生まれ、信頼関係が作りやすくなります。
しっかり紹介を促す
これは、ある程度経営者の方と関係性ができてからステップですが、「他の人へ紹介してほしい」としっかり言葉で促すのも地味ですが活動です。
社長には社長にしかないネットワークがあるものです。業界内のコアなつながりもあるでしょう。
なかなかお願いしづらいことではありますが、逆に言うと紹介をお願いできるの信頼関係が構築できていることがスタートラインかもしれません。
そして、相手の責任で紹介していただくからには、再三お伝えしてきた社会性・地域性のある取り組みやあなたの価値観・考え方がシェアされている必要があります。
要は紹介先に対し、「この人間なら大丈夫だよ」と言うわかりやすい安心材料を積み上げられているか? と言うことです。
ちなみに、だからこそテレビや新聞と言った公共のメディアで取り上げられた実績があると効果が抜群です。本筋からそれるのでまたの機会に書きたいと思いますが。
紹介していただくからには、必ず、紹介先に対しておみやげを用意しましょう。これは文字通りの物品ではなくて(相手が気を使わないくらいのものでしたらいいですが)、役に立つ情報という意味のおみやげです。
いくら信用を架け橋にした紹介といっても、紹介先にうま味がなければやはり会ってもらうのは難しいと思います。
相手のメリットをきっちり考えること。そのために、あなたが提供できる情報は惜しみなく渡すことをお勧めします。
どうせ減るものでもありませんから。
まとめ
「裏ワザ」なんて、さもテクニック的なタイトルをつけてしまったのですが、いずれも人間関係を育むうえで当たり前にすることをより踏み込んでやることが王道です。
逆にテクニックだなんだと言うことに溺れてしまうと、一瞬で腹の内を見透かされてしまうと思います。デキる社長は全く暇ではないですから。
スタンスとして大事なのは、
- 社会的・地域的な信用を積み上げておく
- 相手にもらうのではなく、先にメリットを提供する
- 自分の考えや価値観を世の中に発信する
これらのことが絶対に欠かせません。こうした土台があるうえで、今回お伝えしてきた「出会うためのルート」が役立ってきます。
社長と出会うための方法
- 手紙を書く
- 取材をお願いする
- 商品を買う・使う
- SNSやマッチングアプリを活用する
- しっかり紹介を促す
短期的な関係づくりはできません。一度お会いできたからといってすぐに何かにつながると言うこともないでしょう。
「この人間は怪しい」と思われたらそれまでです。
1人の人間として出会っていただいたことに感謝し、継続的かつ長期的に信頼関係を作っていくことが大切ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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