ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
今回は、仕事で出会った人に、初対面で覚えていてもらうための方法をお伝えします。
起業家さんは営業で人に出会ったり、自分の仕事を知ってもらうために交流会など人が集まる場に出かける機会が多いと思います。
そのようなとき、「いかに自分を覚えてもらうか」ばかり考えて自己主張強めにアピールするのは、実は間違い。
なぜなら、残酷ですが人はまだよく知りもしない人に関心がないからです。自分の身に置き換えてみてください。「私は、私は」と執拗に自己アピールされるほど、“引き”ませんか?
ではどうすれば、初対面の挨拶で嫌がられることなく相手の記憶に残ることができるのか? 掘り下げていきたいと思います。
「人間関係が広がらない」とお悩みの方ほど、真剣に読んでみてくださいね。そして口下手なあなたでも、きっと初対面で覚えてもらえるようになります!
関心がないのに自己主張ばかりする人ってどうでしょう?
初対面で人に覚えてもらうためにまず思い返していただきたいのは、たとえばあなたが名刺交換を「される」立場の場合どうだったか? です。何が記憶に残り、何が記憶に残らなかったでしょう?
話術がうまい人のことはこの際無視してください。僕も含めて、この記事をお読みいただいている方のほとんどが参考にならないはずです。
記憶に残る方法は、次からお話していきます。
残らなかった方は、たぶん、単に「関心が湧かなかった」と思います。たとえ記憶に残っていたとしても、その人と今後仕事か何かで関わるイメージは浮かばなかったのでは。
まして、相手の顔色もうかがわず自己主張ばかりする人はどうでしょう? 「この人、自分のことばかり話す人だな」と、よくない印象さえ持ちませんでしたか?
しかし、紹介を受ける立場ならこのように感じるはずなのに、自分が「する」立場になると、途端に自己アピールが強くなってしまうんですよね。
そもそも起業家やフリーランスは信用が弱い
僕自身起業してみての実感ですが、会社員時代に比べて起業家・フリーランスという人種は圧倒的に信用が弱いです。うさん臭く思われているところもきっとあると思います。
確かに、自分の事業について話をすればその場では関心を持ってもらえる(ふうに見える)。しかし、その後、次の面会や仕事に自然につながっていくか? というとほとんどそんなことはありませんでした。
すると、「アピールの仕方がダメだ」「名刺の内容が十分じゃない」「もっと短い時間で自分のことを伝えなければ」と思い、より自己主張感が強くなっていきます。
でも…いくら主張ばかりが強くなっても、結局信用がついてこなければ五十歩百歩。
大事なのは、初対面でどうやって信用をつくるか? です。ではそれはどうすればいいのかというと、自分のことを知ってもらうより先に相手を知ろうとすることです。
聞いて・知って・理解してくれるから人は喜ぶ
相手があなたに関心を持ってくれて、信用につながっていく方法。それは、自分のことを知ってもらうより先に、相手のことを知ろうという行動です。
これは人間の感情の深い部分とかかわるのですが、自分のことを聞いて・知って・理解してくれるから人は喜ぶものです。
悩みを抱えているとき、悲しいとき、悔しかったとき、特に何をしてくれるわけでもないけれど話を聞いてくれただけで気持ちが楽になった、という経験はありませんか? きっと、ありますよね。
話す話題によっては、感謝さえしたかもしれません。「理解してくれた」という実感が強ければ強いほど、人は喜びを感じるものですから。
初対面で人と接するとき、自己紹介は最低限の要点だけにして、さっさと相手に耳を傾けるようにしましょう。それによって相手が喜びを感じてくれれば、今度は相手の方から自分に関心を持ってくれますから。
そのタイミングになってはじめて、あなたは自分について話せばいいのです。
なお、相手に耳を傾けてなお自分に関心を持ってもらえないのであれば、それはそもそも関係を築けない相手だったということです。ここで落ち込んでも仕方ないので、潔く諦めましょう。
自分に関心を持ってもらうための4つの質問
それでは、どのように相手に話を聞いていくのか、具体的にお伝えしていきます。経営コンサルタントの北岡秀紀さんの著書から学んだ質問方法です。4つ、あります。
自分に関心を持ってもらうための4つの質問
- どんなビジネスをしているのですか?
- どんなお客様をターゲットにしているのですか?
- どれくらい今のビジネスをしているのですか?
- どうやってお客様を集めているのですか?(※)
※4は「集客」をテーマにしています。基本的に自分のビジネスに関係のある話題を投げかけます。
①どんなビジネスをしているのですか?
相手を知るための、最初の取っかかりとなる質問です。業種、分野、取扱い商品・サービス、収益モデルなどなどへ細分化されていきます。
②どんなお客様をターゲットにしているのですか?
どんなお客様を相手に事業をしているのかを聞きます。BtoBなのか、BtoCなのか、BはBでもどんな業態が相手なのか、消費者なら男性なのか女性なのか、年齢層や興味関心はどうか、といったことです。
ここでだいぶ、相手のビジネスについて深掘りができますね。
③どれくらい今のビジネスをしているのですか?
ビジネスの歴史をさかのぼることで、その人が経験してきた苦労・挫折、あるいは成功など感情が伴うエピソードが出てきます。感情には特にアンテナを張って掘り下げていくといいでしょう。
④どうやってお客様を集めているのですか?(※)
ここは繰り返しですが、必ずしもこの質問ではなくあなた自身のビジネスに関係のある話題に差し替えてください。自分のフィールドに引き寄せるきっかけとなる質問です。
ただし、この時点でガツガツする必要はありません。
以上を踏まえて、多面的に相手のことを知る心がけをしてみてください。4つの質問それぞれを深掘りしていくことで、相手も「自分を知ろうとしてくれている」「理解しようとしてくれている」という良い感情を抱くようになりますから。
本当に関心を持ってもらえているなら、しつこく追わなくていい
ここまでのステップを踏まえてようやく自分のことを話せるわけですが、あなたの番になっても、初対面の場だけですべてを伝えようとしなくて構いません。
というのも、せっかくここまでで築けつつあった信用が、自己主張強めでアピールすることにより崩れ落ちてしまうかもしれないからです。
「うわあ、話を聞いてくれたと思っていたのに、いきなり自分のことばかり話始めたよ、この人」
となれば、相手もドン引きです。
本当に関心を持ってもらえているなら、初対面の場でしつこく追う必要はありません。そもそも人間は時間を取られることを強く嫌いますから。
むしろ、相互理解が進んでいる状態であるわけですから、次の機会に場所を変えて話した方がよっぽどよい関係性に発展します。ここで手間を惜しんではダメです。
会ったその日か翌日早いうちにはフォローメールを送って、「◯◯さんのビジネスにとても関心を持ちました。日を改めて、もっと詳しく聞かせていただけませんか?」とアポを取ればいいのです。
くれぐれも、初対面の場で片付けようとしないことが大事です。
まとめ
今回は、仕事で出会った人に、初対面で覚えていてもらうための方法をお伝えしてきました。
これは口下手という自覚がある方こそ、有効に使える方法です。自分について話すのではなく「聞く」ことがメインになりますから。
僕も自己主張があまり得意な方ではないのに、起業して相手に覚えてもおうとNGパターンばかり繰り返していました。元来、聞き手に回る方が得意であるはずなのに(汗)。
ぜひ、相手に関心を持ち聞き手に回ることを意識して、初対面のコミュニケーションを成功させてください!
改めて、本記事のキモとなる4つの質問を掲載しておきます。
- どんなビジネスをしているのですか?
- どんなお客様をターゲットにしているのですか?
- どれくらい今のビジネスをしているのですか?
- どうやってお客様を集めているのですか?(自分のビジネス向けにカスタマイズする)
シンプルな質問ですよね。即実践できると思いますので、ご活用あれ。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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