ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
今回は、営業が苦手な人のための営業のコツについてお話しています。
僕は営業が苦手…というわけではありませんが、振り返ると「これは苦手な人のためのものだった」という気づきが最近ありました。それが今回お伝えする「売らない営業」です。
そもそも、あなたが営業に苦手意識があるのはなぜでしょうか? 売り込みをすると相手に拒絶されるから?
僕もそれは同じでした。なまじ、会社員時代に扱っていた商品が本当によくないものだったので会社から「意地でも売ってこい」と言われてセールスをするのが嫌で嫌で。
でも、残念ながら仕事をしていれば営業は避けては通れません。では、どうしたのか? というのが今回のお話。
このたった1つのやり方で、当時引き継いだ得意先の売上を1年で3倍ほどにしました。個人営業でも使える考え方なので、ぜひ最後までご覧くださいね。
会社の商品を「売らなかった」私の過去
これからお伝えするやり方が実は「イマドキの営業手法」だと知ったのは、本職の営業コンサルタントの方が教えてくれたのがきっかけです。
会社員時代、僕が何をやっていたのかというと、「自社の商品を積極的に売らなかった」ことです。
たとえば、得意先の方から「こんな商品ありますか?」とお問い合わせがあったとき。
求められている商品があるにはあったのですが、自社商品の品質がよくない・あるいは必要以上に高く相手が求める価格にマッチしないときは他社商品を勧めていました。
横のつながりが深い業界だったこともあり、得意先と競合にパイプがない場合はきっちり斡旋までして。そのようにしてお客様の利益を優先していたわけです。
すると、回り回ってお客様のニーズと僕の会社の商品がぴったり合ったタイミングではしっかりと買っていただけました。
あるいは、複数の商品について要望があった場合。
Aという商品は他社のものを勧めるけれど、「Bはうちのほうが良いから買ってくださいね」という形で提案するとこれも高確率で買っていただけました。
在籍していた会社のすべてを悪く言うつもりはないですが、「安く売ってナンボ」の社風だったので、決して商品品質が良くなかった当時の勤め先。お客様のことを考えれば、質の低い商品をゴリ押しするのはどうにも引け目を感じていました。
僕のやり方を見た上司は呆れた表情を浮かべていましたが、現実、前任者から引き継いだ得意先の実績はグングン上がっていきました。1年後には3倍、2年後には5倍という具合に。
心の中で上司に対し、「それ見ろ」とつぶやいていたのは今となっては良い思い出です(笑)。一方、ヘコヘコと頭を下げて「なんとか買ってくださいよおお」とお願い営業を繰り返す上司のやり方は、僕にとって見るに耐えない姿でした。
いらないものを頑張って売ろうとするからコストが上がる
あなたも経験があるかもしれませんが、お客様の「欲しい」という感情と商品・サービスの価値がピタッとハマったときは気持ちがいいくらい簡単にものは売れます。売れてしまう、と言ってもいいかもしれない。
しかし、そうではないとき。厳しいようですが売れないものは売れません。
相手がいらないものをいくら押しつけてもいらないことには変わりないですし、メンタルも落ち込みます。値下げ要求を受けたとたん、それまで対等だった売り手・買い手のポジションに上下関係がつき、売り手が「お願いする側」になってしまいます。
それでもがんばって売ろうとしても、利益が減るだけ。何度もお願いするうちに交通費や時間などのコストが積み重なっていきます。メンタルもコストといえばコストかもしれません。
また、しつこく広告を出し続けても売れないものは売れないのでそれもコストになります。
そんな負のスパイラルを何度も目の当たりにしてきました。
まずお客様が望む「未来」を売れ!
これはよく言われることですが、商品にフォーカスするのではなくお客様が望む「未来」を売るのが先決だと思います。
たとえば前職の僕の仕事だと、商社として、得意先である小売業の売場で「売れる」商品を提供することが期待されている未来です。そしてその未来を達成するためには、必ずしも自社の商品でなくてもいい、ということになります。
未来を叶える手段を提供できれば、その場で売上が上がる・上がらないは別としても「売り手はあなた」です。売ったものが商品ではなく情報に変わっただけ、と言い換えることもできます。
欲しい商品をレスポンスよく提供したり、まめにフォローをしたりすれば顧客満足度が高まるのと同様に、「情報を商品にした場合」でもやり方次第で売り手には信頼が貯まります。
そして売り手と買い手の間に信頼があれば、次のチャンスでものを買ってもらいやすくなります。
「売った買った」だけの関係ではなく、「相手を未来へ導く」ことに主眼を置き、長期的な目線でお客様と付き合うことが大切だと今では思います。
「必要なもの」ではなく「いま欲しいもの」を提供する
自分自身反省すべき点でもあるのですが、僕たちはお客様に対して「これは相手に必要だろう」という一方的な目線でものを提案しがちです。
先々を見れば必要になるかもしれないけれど、お客様にとって「いま欲しいもの」はなんでしょうか? これを考えないことには、なかなか話を聞いてもらえません。頭に入ってこないのです。
お客様の頭のなかにあるドンピシャリの「いま欲しいもの」は、必ずしも僕たちの商品・サービスとは限りません。また必要になるタイミングもまちまちでしょう。
営業が苦手という人は、商品を売る前にここの見極めをすれば身も心も軽くなると思います。「売らなければいけない!」と身構えるから苦手意識が増幅されてしまうわけです。
「いま欲しい」と相手が納得するものでなければ、無理に商品・サービスを売る必要はありませんよ。その代わり、「未来」を売ってみてください。レスポンスよく、真摯に。
それを続ければ、あとになって必ずチャンスに姿を変えて帰ってきますから。あるいは、望む形ではないにせよ「必要なところ」だけ買っていただけることもあります。
まとめ
今回は、営業が苦手な人のために「売らない営業」のポイントをお伝えしてきました。
「もの売り」の考え方にとらわれるほど、商品しか見えなくなって結果的にソンをします。長い目で見て、売上につながりお客様にも感謝される「未来売り」になっていきませんか?
今回のまとめ
- 売れないものは売れないし、売ろうとすればするほどコストが上がる
- 自分ではなくお客様の利益を優先し、「未来」を売ろう
- 売り手が「必要だと思うもの」ではなくお客様が「いま欲しいものか?」を考えよう
こう考えていくと、営業は苦痛ではなくなるし、まるでゲームのように楽しく取り組めると思います。結果もついてきます。
冒頭でもお伝えしたように、ビジネスをしていくうえで営業は避けられない活動です。今、営業活動ほとんどなしで集客が上手くいっている人さえ、泥臭く営業をしていた時期が必ずあります。
避けて通れないからこそ、どうやれば取り組みやすくなるかを考えていきませんか? 大鹿の無料相談も遠慮なくご利用くださいね。あなたにぴったりの取り組み方をご提案します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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