元編集者として800件以上を取材。質問力で実店舗・中小企業様を選ばれる存在に導く、地域特化Webコンサルタントの大鹿です。
今回は、人生の挫折経験や苦労を、情報発信に生かす方法をお伝えしていきます。一見「弱み」、無価値に思える経験も、考え方と見せ方次第で、情報発信の大きな武器になるものです。
「SNSの反応が薄い」「何を発信すればいいか分からない」とお悩みの方にとって参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
挫折・苦労・失敗の棚卸しをする
以前、Webライターの仕事で、高松市内の人気カフェさんへ伺ったときのこと。そこは一面ブルーの内装が素敵な癒し空間で、閉店まで常に客足が絶えません。ご夫婦2人で始められたお店。
ですがかつて、オープンしてすぐに奥様が過労で倒れられ、長期で休業せざるを得なかったということでした。「オープンしたばかりで、家賃も払っていかなきゃいけないのに」―。
その後、奥様の体調は快方に向かい、お二人の真摯な人柄もあって街の評判店になったのですが、僕は聞きました。
「倒れるまで働き、自分を見失ってしまうような日々があったからこそ、お客さんにはそうなって欲しくない。このお店が、日常を忘れられる癒しの空間になっているんでしょうね」
ハッとされていました。
僕も仕事で伺う以前からお気に入りのお店で、心安らぐ場所だと感じていたから。過去の苦労話をお聞きしたことで、なぜそこまでホスピタリティにあふれた場所なのか、納得できました。
挫折・苦労・失敗も『痛み』なので、本能的に心の奥底に封じ込めてしまうものです。しかし、痛みに向き合って過去の棚卸しをしてみることで、自分の想いを思い出すきっかけになったり、人を惹きつける物語に変わったりします。
のちほどお伝えしますが、特に『物語』というものは人に興味関心を強く抱かせる見せ方なので、情報発信に生かせる部分が大きいです。
棚卸しのコツは、一気にやることと、時間を置いて(数ヶ月くらい)何度もやってみること。僕自身の経験ですが、痛みの経験は封をされているので、無理矢理こじあけようと思っても出てこないです。
そのとき表に現れるだけを出し切る形でOK。出し切ったらそれについて嫌でも向き合うことになり、次回棚卸しをするときに、以前より研ぎ澄まされて表に現れてきます。
過去の教訓を自分の芯に変え、想いに変える
実は…僕は離婚をしています。
当時の妻に対して、「寝る時間は必ず一緒でなければいけない」と生活習慣を自分のパターンに強要してしまいました。共働きで食事を作りたくないときもあるのに、「必ず夕食を作らなければいけない」と、自分の要望ばかりを強いてしまいました。
思い出せばキリがないですが、妻の気持ちをまったく考えられず、相手の不満が積りに積もり、なのに僕自身はそれに気づかず…。手遅れになってしまいました。
僕のこれまでの人生で、最大の挫折です。
ですがネットで情報発信を始めて、「ネットという人の顔が見えづらい空間だからこそ、相手を現実以上に思いやらなければ届かないんだ」と気づいて、過去の過ちの本当の意味に気づいたのです。
人は外側から変えられないということも、あとあとになって気づきました。まして一方的に「変われ」なんて。当たり前のことなんですけどね。けれどその気づきからも、人を理解し共感することの本当の大切さを学びました。
苦い経験ですが、挫折がなければ一生気づかなかっただろうことですし、いまこうして地域で、人の悩みを聞いて解決するという仕事につながっているので、自分の『芯』に変わったんだなと思います。
またこれは人から聞いた事例ですが、現在起業されてテレビ番組でも取り上げられるまでになった方が、ほんの数年前まで、転職を繰り返し仕事がまったく続かなかったそうです。
けれど、「仕事が続かないことにも理由があって、自分には同じような人間の気持ちが分かる」と気づいて、人と人との拠り所を作ることに使命を感じ、事業に転化されたと。これも『芯』に変わった瞬間ですよね。
情報発信の本質は決して小手先ではなく、土台となる想いが一番大切だと、僕は考えています。芯がぼやけていると、想いもぼやけたままです。日々なんとなくビジネスをしている人の情報は、残念ながら「そこそこ」面白いものにしかなりません。
想いがくっきりしてくると、情報発信を通して伝えたいこと、知ってもらいたいことの輪郭もハッキリしてきます。輪郭が明確になるからこそ発信すべき内容も見えてきますし、「なんとなく」「そこそこ」の発信はしなくなります。
先ほど棚卸しについてお伝えしましたが、自分の芯になることは、必ずあるものです。僕のような自分勝手極まりない人間でも、それに気づけたんですから。
あなたのなかにある教訓、芯に変えられるものはなんでしょうか?
物語を発信しよう
情報過多な現代、何を選び取ればいいか分からず、「自分に関心のある情報しか選ばない」ようになっています。そんな世の中でも、物語というものは、人の興味を引くための強力な手段。
映画やマンガ、小説が産業として成り立つほど、人は物語を好みます。同じ情報であっても、売り込みは警戒しますが、物語は好んで読みます。
ここまででお伝えしてきた、過去の挫折・苦労・失敗の棚卸し。そこから学んだ教訓。自分の芯になったことと伝えたい想い。これらは、まさに一連のストーリー(物語)です。
何より、こればっかりはプロの小説家にも映画の脚本家にも誰にも真似できない、あなたオリジナルの情報ですよね。
情報過多な時代ですから選別の目は厳しくなっていて、どこかで見たような情報は一瞬にしてスルーされます。上っ面だけを真似した情報は、発信者の信用すら落としてしまいます。
今だからこそ、そしてこれからは特に、あなたにしか語れないことが重要になってきます。そこで強力な『見せ方』になってくるのが物語というものなので、ぜひ意識して発信してみてください。
SNSなら、なにも1投稿に物語を詰めるんじゃなく、小出し小出しにしていくのもアリです。発信のシナリオを作ることをオススメします。
まとめ
挫折・苦労・失敗といった『痛み』の経験を棚卸しするのは、実際問題かなりツラいことです。先ほど「一気に」とお伝えしたのもこのためで、毎日棚卸し作業ばかりをしていると、マイナス思考に陥ってしまうので気をつけてくださいね(汗)。
人生の棚卸しそのものは、「こんな経験も強みに変えられるんだ」「発信のネタに変えられるんだ」という発見につながりますから、「SNSの反応が薄い」「何を発信すればいいか分からない」とお悩みなら、ぜひトライしてみてください。
ポイントは、
- 過去の教訓を自分の芯に変える
- 挫折から現在に至るエピソードを物語として発信する
です。
SNSを眺めていても、圧倒的に興味を引かれる人とそうでない人の差は、想いがあるかないか? 人はにない経験をしているか?(そして語れているか?) 物語を伝えているかどうか? です。
逆に、どれだけ発信回数を重ねていても、それらの要素がない人の情報は、ハッキリいってつまらないです。なのに、本質的なところに目を向けず、小手先のテクニックにばかりとらわれているんですよね。。
あなたは決してそうならないよう、自分自身に目を向けることを大切にしてください。それがあなただけの、強力な発信の武器になりますから!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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