「ステータス」と聞くと何を思い浮かべますか?
ビジネスシーンでは「社会的なシーンや地位」を意味することが多いようですが、今回は「影響力」「信頼」といった意味で用います。
つまり、誰でも後天的に身につけられるものですね。
そう判例が多いわけではありませんが、一流と呼ばれる人たちと触れ合ってきたなかで、彼らが自然にやっているスキルを言語化してみました。
これらはごく当たり前のこと。テクニックに走っては“いかにも感”が出てしまいますし、凡事を徹底してこそ意味があるのだと思います。
ステータスを高めるための方法を、外見・内面の両面からお伝えしていきます。
身だしなみをさっぱり整える
自分自身が人を評価するときのことを考えれば分かりますが、身だしなみって思う以上に見られています。
どんなに優秀な人でも、外見がみすぼらしかったら「大丈夫か?」と疑問を持ってしまいますよね。(優秀な人は総じて、外見も自分自身を形づくるステータスだと認識しています)
僕は20代の頃、私服の会社に勤めていました。今では当時の自分が恥ずかしいのですが、企業人と仕事をする機会があっても服装に無頓着でラフな格好。身だしなみの重要性に気づかず、上司からここ一番の大事な案件では外されていました(汗)。
特に服装を気にするようになったのは起業をする前後からです。会社の看板を外したとたん、自分自身が何者でもないことに気づいて外見の大切さが分かったのです。
今、企業の方と仕事をしたり商談をするときは基本的にオーダースーツを着ています。
僕は分かりやすい中肉中背体型。背広がビシッと決まりにくい体型で悩んでいたのですが、実はこの考え方そのものが間違いでした。
「体型の問題ではななく、体型に合ったスーツを着ることが大事」
職人さんにスーツをつくってもらったら、体型に関係なく、洗練された印象に様変わりしました。オーダースーツを着て出かけると自信も倍増します。
服装だけじゃなく、靴・髪型・肌の手入れなど身だしなみで整えるべきことはいくつもあります。
人の第一印象は視覚で決まるわけですから、決して手を抜けない部分ですね。
立ち居振る舞いを磨く
身だしなみとセットでキモになるのが、立ち居振る舞い・態度。
背筋がだらんとしている人は、やはりだらしない雰囲気が全身から漂っています。ヤンキーみたいに歩く人はいかにもチンピラ感にあふれています。
美学ならいいんですけどね。でも、普通に考えればカッコよくないです。
態度が立ち居振る舞いに表れているのも気をつけたいところ。
たとえば、常に忙しない人は態度にもそれが表れています。
忙しい人が分かりやすく忙しい態度を取ると、「話しかけてはいけないんじゃないか?」と思われますし、そのような人は危なっかしくて大きな仕事を任されないはずです。
過度につくり込む必要はありませんが、自然と・堂々としているのがイチバン。
本当は忙しいけれど涼しい顔をしているくらいのほうが、頼りがいがあるというものです。
そしてここからは内面編。
外見についてはいろいろなところで語られていますし、ステータスを高めるためのある種、最低条件です。
外見と内面の魅力がかけ算になることで、ようやくステータスとして機能するのだと思います。
「よく話す」より「よく聞く」
人は基本的に、「自分の話を聞いてほしい」生き物です。理解されたい。認められたい。
偉そうに書いている僕も、本質はそうなのだと思います(苦笑)。
一方、自分のことばかり話す人ってどうでしょう? 言葉の一言一句に価値があるひと握りの経営者でもない限り、「自己主張の強い人」というレッテルを貼ってしまいませんか?
体感覚なのですべてに共通するかどうかは分かりませんが、一流と呼ばれる人ほど謙虚です。そしてこちらが申し訳なく感じるほど、人の話にきちっと耳を傾けてくれます。
優れたコンサルタントは「聞く9割・話す1割」くらいの感覚で仕事に臨んでいるといいます。これは後述するように「本当の問題を発見するため」でもあるし、深く傾聴を示すことで信頼感を示すためでもあります。
謙虚に自分の話を聞いてくれたら、相手に対してどんな感情を抱きますか?
それが答えです。
専門用語を使わない
自分のことばかり話す「話し手」タイプにありがちなのが、自分の業界の専門用語を連発すること。
相手が言葉の意味を理解しているのならいざ知らず、こういう人間に限って、どこに行っても自分の言いたいがままに話します。知的に見せたいのかどうか分かりませんが、逆効果ですね。
ステータスが高い、つまり信頼感のある人ほど、相手の理解度に合わせた話し方をしてくれるものです。専門用語は使わないか、せめて身近な物事に置き換えて話します。
逆に、今ここで挙げたような傾向が自分にあると感じるなら、人と会話をするときになるべく専門用語を使わないように意識してみてください。ゲーム感覚でいいと思います。
手前味噌ですが、僕はセミナー講師のお仕事をいただくとき、最大限難しい用語を排すようにしています。使わざるえをえない場合もきっちり説明をして、覚えておくべきもの・覚えなくていいものに切り分けて伝えるようにしています。
これも試行錯誤の末に獲得したスキルなのですが、おかげで「話が分かりやすかった」といっていただけることが非常に多いです。
アドバイスではなく問題発見に努める
人が誰かの話を聞いて感謝を覚えるのは、実はありがたいアドバイスを受けたときより、盲点に気づかせてくれたときです。
例を挙げましょう。読書を題材にしてみます。
「本を読めば読むほど、知識が増えて仕事に生かせる。人とのコミュニケーションに困らなくなる」
というアドバイスと、
「本のすべてに目を通してもどうせ頭に入らないから、今自分が抱えている問題を解決してくれそうなところだけ、さっさと読んで実践してみたら?」
どちらがためになりますか?
外していたら申し訳ないのですが、前者は“いかにも”いわれそうなことではありませんか? 一方、後者には気づきがあると思います。
そして、「時間もないのだから、必要なところだけ読んでとっとと実践するほうが大事」と本当の問題に気づかせてくれる人に、人は信頼を覚えます。
アドバイスというと、どうしても上から諭すような感じになってしまいます。しかしこの問題発見型のアプローチにはそれがありません。
むしろ、親身になって考えてくれた、という印象を与えることができるのでオススメです!
まとめ
ステータスというと「お金持ち」「いい車に乗ってブランド物に身を包んでいる」といったラグジュアリーなイメージを思い浮かべますが、ここでは解釈を変えて
ビジネスの武器!
という意味でお伝えしてきました。
目に見えづらい定性的なスキルではありますが、特に「印象」「信頼」という、仕事の命運を左右する超重要な力だと思います。
個人的には、内面を磨こうと努めていたら外見が追いついていないことに気づき、両方のかけ算がキモだということがようやく分かったという感覚です。
あるいは、形から入って内面がついてこないことに課題を感じる場合もあるかもしれません。
いずれにせよ、どちらが欠けてもダメ、ということを理解しておく必要があるでしょう。
今回のまとめ
- 身だしなみはさっぱり。立ち居振る舞いを自然と・堂々と。洗練された印象で
- 聞くときは9割聞く。話すときは専門用語を使わず、相手にきっちり伝わるように語る
- アドバイスをするのではなく、本当の問題に気づいてもらう
これらのポイントを実践していただくことで、人としての信頼感・影響力が醸成されていくことと思います。
特にコミュニケーション面は普段の行動を上書きしていくわけなので、時間がかかるはずです。1つひとつ、じっくり取り組んでみるといいですよ。僕もそうしてきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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