起業家にとってポジティブ思考の本当の意味って?

ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。

今回は、ポジティブ思考という言葉の上辺だけをなぞり、ある落とし穴にハマらないための考え方をお伝えさせていただきます。

えっ、落とし穴? 結論からいうと、ポジティブ思考=「なんとかなる」というステレオタイプな考え方は、問題の原因や解決を自分以外に求めていることになりかねません。

これが会社員ならいざ知らず、大事な決断をすべて自分でしなければならない起業家だったら、どうでしょう…? 危険だと思いませんか?

本当のポジティブ思考とはどうあるべきなのか? 聞いてしまえばごくシンプルな“トリセツ”を解説します! ぜひ、最後までお読みくださいね。

目次

ポジティブ=楽観では決してない

オックスフォード辞書によると、ポジティブとは「積極的。また、実証的。​​」とされています。簡単にいうと、「何事にも前向きで明るい​​こと」と変換できますね。

しかし多くの場面で、ポジティブ=楽観主義、のような捉え方をされていることが否めません。つまり、冒頭で書いた「なんとかなる」です。でも、なんとかなると思って「なった」ことって全体のどれくらいあったでしょう?

予測もできないと思います。気持ちや言葉だけで物事が好転したら、苦労はありません! そんなこと、本当は多くの人が分かっているのに。

コップの水を「まだある」と捉えるか「もうこれだけ」と捉えるか、というたとえがありますよね。状況にもよると思いますが、あなたならどっちを先に考えることが多いですか?

まだあるし自販機なんてそこらじゅうにあるから、万が一のどが渇いても買えばいい、と考えることもできます。

でも真夏にド田舎に行ったら、そうそう自販機もコンビニもないです。どんな場面でも「まだある」と信じきっていたら、熱射病で最悪命を落とします…。

本当のポジティブとは物事を楽観視することではなく、何事も積極的・実証的に考えることだと思います。

「コンビニや自販機がどこにあるか事前に調べるのなんてめんどくせー」「行ってみればあるでしょ」では、結果的に後悔しかねません。それはただ嫌なことを避けているだけです。

ポジティブ=楽観説には、要注意!(自戒)

行動が変わらなければ取り巻く状況は変わらない

問題の原因や解決を自分の外側に求めていても、残酷なようですが何も変わりません。

「今はこれだけしか売上がないけれど、ちゃんと仕事をしていたらいつか報われる」

僕自身も都合よく考えてしまいがちなので超気をつけたいことなのですが、これではジリ貧になってしまいます…。そもそも「ちゃんと」って何? という話。

行動・やり方・考え方を変えてみれば、良くも悪くも自分を取り巻く状況は変わります。うまくいくようになるかもしれないし、盛大に失敗するかもしれない。

でも、とりあえずなんらかの変化は起きます。この変化を機敏にとらえることが大事ですね。失敗したらそれは「変えてうまくいかなかった」という貴重なデータになりますから。

行動が変わらなければ取り巻く状況は変わらない。行動ができる人は、積極的に問題を自分ごとにできる人です。

ちなみに、偉そうに語っていますが今回は自分に言い聞かせるつもりで書いています(苦笑)。悪しからず。

「やるだけのことはやった」が本当のポジティブ

僕は食品の商品開発をしていたことがあるのですが、後にも先にもあれほど心臓が縮み上がる思いはしたことがない、という経験が1つ記憶にこびりついています。

苦労してクライアント企業の商品開発をしてきたのに、パッケージを校了する段階になってクライアントからGoが出ない。自分がやることはすべてやったにも関わらず。

どうも担当部署ではなく、他部署からイチャモンがついていたようです。大企業あるあるですね。でも、当時の僕からすると、発売日が決まって全国へ宣伝も打たれているのに肝心の商品が間に合わなくなるかもしれないのだから、気が気ではありません。

内心→「なんでだよ!!」

「今日中に校了しないと印刷が間に合わない」と業者さんに口酸っぱく言われていたのを何日も引き延ばしてもらって、心臓をキリキリさせながら、よく知らない印刷業者の工程から製造スケジュールまでこと細かに聞き出して、「最悪の事態」と「できること」を可視化しました。

社内の協力部署にも「何かあったら即対応してほしい」と、約束を取り付けもしました。

そしてそれを書類に書き起こし、クライアントに叩き(笑)つけて。ここまでやれば、「もう運を天にまかせる」しかない心境です。依然、心臓は縮み上がっていますが同時に晴れ晴れとした気持ちだったことを思い出します。

ちなみに、、なんとかなりました。もう「これ以上はスケジュールを押せない」というギリギリ、10〜15分くらい前の校了でした。

だいぶ自分語りが過ぎましたが、このように「やるだけのことはやった」と信じ切れることが本来のポジティブ思考なんだと思います。

それと大事なのは、不安を不安という曖昧模糊なものにせず、きっちり事実ベースに変えること。

そのあと何度も同じような場面に出くわしましたが、「なんとかなる」ことが事実として分かっていたので大きく不安になることはなくなりましたね(笑)。

ネガティブ=悪なのか?

ポジティブは正義でネガティブは悪、という捉え方をよくされます。

これもポジティブ思考の致命的な間違いと同様、ネガティブも「憂鬱な、後ろ向きな」というマイナスイメージで捉えられていますが…果たしてネガティブであることは本当によくないことでしょうか?

不安だから、「このままだとこういうマズい状況になるかもしれない」と積極的に考えます。ここまでは正解です。

ネガティブであることの真の問題点は、考えてなお行動しない(できない)ことにあると思います。不安だから考えることそれ自体は、必要不可欠な資質です。

少なくとも、答えを自分の外側に求めて「なんとかなる」と空威張りするより、よほど実務的です。

あなたがたとえ自分をネガティブ思考だと思っていても、それを過度にマイナスに捉える必要はありませんよ。慎重なだけです。心配しないで。慎重なのはいいことです。

頭の中だけで考えず紙に書き出して見える化しよう

ポジティブを真のポジティブに、ネガティブを良いネガティブに変えていくには?

そのために重要なのは、頭の中だけで考えず、紙に書き出して問題を見える化することです。

  • 最悪のシナリオが起こったらどうなるのか
  • 問題・課題が発生した原因は具体的になんなのか

これらをきっち書き出す。ポジティブであれネガティブであれ、マズいのは「自分ごと化しないで動かないこと」です。自分ごとにするには、見える化しないことには始まりません。

本当に致命的なボトルネックは、実はひと握りです。杞憂だけ、ということも大いにあります。確か、前述の僕のエピソードもそれが多かったような…(汗)。

考えることと行動すべきことを、きっちり分解することですね。問題が見える化したら、面倒くさがらずに自分で自分のPDCAを回します。

そして、やれるだけやったらあとは積み上げてきた事実を信じ切る。それが、『人事を尽くして天命を待つ』の本当の意味ではないでしょうか?

まとめ

ポジティブ思考という言葉が持つ落とし穴に、気づくことができたでしょうか?

いろいろと寄り道しながらお伝えしてきましたが、重要なのは1点。自分の問題は、ちゃんと自分ごと化すること。ただそれだけです。

人間は万能ではありませんし、自分が手を伸ばせる以上のことはできませんから。

本記事のまとめ

  • ポジティブ=楽観では決してない。問題を放置した「なんとかなる」は危険
  • 「やれるだけのことはやった」という行動の積み上げが本当のポジティブ
  • 問題を自分ごと化するために、紙に書き出して具体的に見える化しよう

いやいや、書きながら自分にグサグサくることばかりですね。しかしこうやってアウトプットして見える化することも、また自分に降りかかる問題と向き合うトレーニングのような気がします!(ポジティブ…笑)

それでは、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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