ノウハウコレクターという言葉があります。流行りの手法、一攫千金のテクニックを求めてノウハウばかりを求め歩く人たちのことです。
一見、目もくらむようなノウハウがあると欲しくなるものです。以前の僕もそうでした。
けれど、それさえやれば上手くいくという“神の一手”などあるはずがないし、優れた手法があっても、使いこなすまで極める人はひと握りです。ノウハウ好きに限って、それを極めないまま別のノウハウを取っ替え引っ替えしていて。
ノウハウは手段であって、目的は稼ぐこと。仕事を獲得すること。お客様の課題を解決することです。
起業前〜初期で自分のあり方に自信がない人ほど、ノウハウを求めがちだと思います。あなた自身にいま、ノウハウコレクター的傾向はありませんか? 本記事をチェックポイントにして、やるべきことを見直すきっかけにしていただけるとうれしいです。
ノウハウは底なし沼…
とにかくいまは情報にあふれていて、「SNS攻略」などといったテーマ1つでも、星の数ほどの人が無料から有料からノウハウを発信しています。
このままSNSを例にしますが、SNSに苦手意識のある人ほど、そのようなノウハウを求めて渡り歩きます。しかしSNSを手法で攻略できると思っているのがそもそも間違いで、スマホ画面を挟んで相対しているのは人と人です。
その本質を考えずに、「どうやれば自分をよく見せられるか?」という点に執着している人が多い。当然、それではうまくいかないので、また最新のノウハウを求めるわけです。
ノウハウは、まるで底なし沼です。
なかには本当に役立つノウハウもあります。それは事実。
しかし、役立つとはそもそもどういうことでしょうか? 「今、自分がお金を出してでも解決したいもの」と定義すれば、短期間にいくつもノウハウを求めるような状況などおかしいし、求め続けるようなら自己分析ができていないということになりますよね。
ですからまず、自分自身の目的は何か? その目的のために“いま”必要なものは何か? をしっかり考えるべきだと思います。
「流行っているから追いつかなければならない」という心理は、起業前後ではなく、もっとプロフェッショナルな段階になってから感じるべき焦りではないでしょうか。
時間を割くべきはノウハウ獲得じゃない
ノウハウコレクターほど、ノウハウを求め歩くことが目的になっています。
ノウハウを獲得することで仕事を獲得できたり、売上が上がったりすればいいですが、それだけで成果が上がることはないでしょう。仕事を獲得すべく、売上を上げるべく行動してはじめて結果に変わるのですから。
自己投資は大事な考え方ですが、自己投資マニアになっては本末転倒です。吸収したノウハウを使って結果に変えることが第一であるはずです。
ノウハウを探し求めたり学んだりすることに時間を割くのではなく、結果にフォーカスすることが正しい時間の使い方です。その比率を見誤ってはいけないと思います。
誰のためのノウハウなのか?
自らのスキルアップのためにノウハウを求めているのなら、それが誰のために役立つか? を考えたいものです。当然ながら、お客様のために使うものですよね。
お客様の問題解決のために役立つノウハウを身につけるのが、正しいあり方です。ノウハウを身につける以前よりお客様が喜ぶ成果を提供できれば、理にかなっています。
残念ながらノウハウ信者の多くがそのようなことなど考えず、繰り返しますがノウハウを求めることが目的になっています。決して、お客様のためではなく。
「自分のため」といえば聞こえはいいですが、多くは入手したノウハウを使いこなせもしないのです。消化不良で、もったいないと思いませんか?
必要なタイミングで必要なノウハウを学べばいい
ノウハウに踊らされる人ほど、自分自身にちゃんと向き合っていない。あるいは、先のことを恐れてあれこれ考えすぎているのだと思います。
ノウハウコレクターは、ノウハウを求め歩いている状態が何よりの安心なのです。
真剣に自分のスキルアップやお客様への価値提供を考えているのなら、求める成果ありきでノウハウを求めればいい。足りないと思うタイミングで、必要なタイミングで、必要なノウハウだけを学べばいい。
その方がよほど効率的ですし、自分に危機感があるだけちゃんと実践しようとも思えます。
よく聞く言葉に、「作業は仕事ではない。仕事とは成果を生み出すべく行動することだ」というものがあります。成果とは、仕事の獲得であり、売上を上げることであり、お客様の課題を解決することです。
ノウハウコレクターの方が本記事を読んでいたら認めたくはないと思いますが、ノウハウを求め歩いている状態は仕事ではありません。
しつこく書きますが目的が大事だということです。目的があるからこそ、毎日の行動が仕事に変わるのだと思います。
まとめ
僕自身がノウハウコレクター化しかけていた時期があったので、今回このような記事を自戒を込めて書きました。底なし沼のような状態も経験しています(汗)。
あれも手に入れなきゃ、これも手に入れなきゃ。あの人がこんなノウハウを発信している。あの人が「いい」といっている。
が、単に自分の目的が曖昧であり、それゆえに自分の持っているものに自信がなかったのだと気づくことができました。
誤解を恐れずにいうと、お客様にはちょっとやそっとのノウハウの差など分かりません。当たり前ですよね? 人のことを隅々まで理解できるには時間がかかるし、そんなことよりもお客様はまず「自分の問題」を解決して欲しいのだから。
フォーカスするべきポイントを、見誤らないことです。
今回のまとめ
- ノウハウは底なし沼。踊らされず、自分の目的のために“いま”必要なものは何か? を考えるべき
- 時間を割くのはノウハウの獲得ではなく、結果に変えるための行動
- 必要なタイミングで必要なノウハウを学んだ方が、よほど効率的だし身につく
今回お伝えしたことを、「我が振りを見る」ためのチェックポイントにしていただければと思います。いらぬ雑音を振り切れば、かえって仕事に集中できますし自分にとって大切なものが見えてきますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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