ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
今回は起業のアイデア創出について、特に商品・サービスを考える際のヒントをお伝えさせていただきます。
「ビジネスは悩みの解決」だといわれますよね?
けれど、そもそも人がどんなことに悩んでいるのかある程度把握できないと、悩みについて具体的なイメージができないものです。
本記事をお読みいただくと、人の悩みにどのようなものがあるのか? またそれらをもとにどのように商品・サービスを創造していけばいいのか? ポイントが分かります。
ぜひ最後までご覧くださいね。
商品・サービスは「人の気持ちを変える道具」
商品・サービスは「人の気持ちを変える道具」としてあるといわれます。
気持ちを変えるとは、なんらかの悩み・不安・恐れがあり、その状況を上向かせることと考えてみてください。気持ちを上向かせるトリガー(引き金)になるのが、商品・サービスです。
とはいえ僕たちは人それぞれ、考え方も価値観も抱きやすい感情も異なります。常に楽観的な人がいれば、なんでも悲観的に考えてしまう人がいるように。
ですので本来はペルソナ(=典型的な顧客像)を設定することが大事だといわれますが…そうはいっても人間がどのようなことで悩むのか? がフレームとして分かっていないと糠に釘を打つようなものです。
ここから、個人が抱きやすいといわれる悩みと、企業が抱きやすいといわれる悩み、2つのセクションに分けてお伝えしていきます。
個人の悩みは7つ
ではまず、個人が抱く悩みから。大きく7つあるといわれています。
- 寂しさから解放されたい
- 肉体的な痛みから解放されたい
- 健康を失いたくない
- 歳を取りたくない
- 退屈から逃れたい
- お金のストレスから逃れたい
- 生きる意味を失うのが怖い
寂しさから解放されたいからSNSやソーシャルゲームに熱中する人がいるし、肉体的な痛みから逃れたいから医療があるし、歳を取りたくないからアンチエイジングが流行っていますよね。
お金のストレスから逃れたいからお金稼ぎ系の情報商材があるし、生きる意味を失いたくないから一人旅にニーズがあるのかもしれません。
抽象的なキーワードを挙げましたが、世の中のすべての商品・サービスがおおむね、いずれかの悩みを解消する道具として落とし込まれています。
マーケティングの世界では「人は感情でものを買い、理屈で正当化する」という原理原則があります。
これはあなたも理解できると思いますが、結局人はどれだけ買った理由を正当化しようとも、「気持ちいい」とか「恐怖を避けたい」といったシンプルな感情が起点になっているということです。
逆にいえば、どれだけお金をかけてクリエイティブな商品を作っても、感情1つ揺さぶることができなければ商品を買ってもらえることはありません。
商品・サービスを作るときは常に原点に立ち戻り、「どんな悩み(感情)に作用するものなのか?」を考えるようにしましょう。
さらにここで挙げた7つのキーワードをどれだけ解消できるか? というのも大きなポイントになります。
たとえば趣味を生かしてお金を稼ぐことができたら、それは「退屈とお金のストレスから逃れられる」ということになりますよね。解消できる悩みのバリエーションが多ければ多いほど、強い購買欲求が沸き起こる商品になるということです。
企業の悩みは3つ
企業に対してビジネスをする、つまりB to Bビジネスの場合は大きく3つの悩みがあるといわれます。
- 予算のストレスから逃れたい(売上や利益)
- 時間がないストレスから逃れたい
- 人間関係のストレスを解決したい
企業の悩みの大半は、集客ないし売上のことだと思います。集客にしても目的は売上を上げるために行うことなので、売上(および利益)の問題と考えていいでしょう。
時間がないストレスは、たとえば社内データベースの共有化や経理ソフトの導入で軽減できます。
上司と部下、あるいは同僚など人間関係の悩みに対しては、組織改善のコンサルティングを依頼したり、最近では企業カウンセラーなどを使ったりするケースもありますよね。
売上アップなどは細かく手法を挙げるとキリがないのですが、いずれにせよ企業も個人と同じで、悩みの核心を押さえられていることが大事です。
テストをすること
さて、あなたが商品・サービスを創造する際にはここまで挙げてきた悩みのいずれか、または複合的ないくつかを解消するものでなければいけません。
ただし注意したいのが、お伝えしてきた個人と企業の悩みはあくまでフレームワーク、ものの見方のヒントであるということです。
あなたが立てた仮説が正しく機能し、「売れる」商品になるにはテストをする必要があります。
「お客様はこう考えていると思ったけどまったく違った」「良いと思っていた商品なのにいっこうに売れない」ということは往々にしてあります。つまり悩みを的確に突っつけていない。的外れになっているということです。
実際のところ、どんなビジネスでも初めからうまくいくことの方が稀だといわれます。
身近な人にモニターになってもらう。SNSの親しいフォロワーさんにお試ししてもらうなど、小さくスタートしてお客様の反応を見ながらアジャストしていきましょう。
要は、それほど人間の悩みも価値観も多様化しているということです。
初めから大きな経費をかけて勝負をかける博打型の人や、テストをするという考えをそもそも持っていない人も多いです。
人が人を理解するのが何よりも難しいといわれる世の中で、お客様を理解しようともせず思い込みでビジネスを始めるのは自殺行為といえます。また驕りであるともいえます。
謙虚にテストをすることを肝に銘じましょう。
一撃必殺の分かりやすさがあるか?
自分本位で商品・サービスを作ると陥ってしまいがちなのが、あれもこれも詰め込んだり、ウリが曖昧になってしまったりすることです。
詰め込むことが必ずしもマズいわけではありませんし、メリットを複合的に併せ持った商品もあるでしょう。
しかし、それらはすでにビジネス勘のある人がやるから上手くいくのであって、起業したての人がやって成功するほど甘くないと思います。
またマーケティングの鉄則ですが、「20秒で説明できる商品でなければ、まず理解してもらえないと思え」というものがあります。
20秒は人が電話口で説明を受けて聞いていられる許容時間だそうです。もっとも今やもっと短くなっているでしょうが。
売りたいターゲットに一撃必殺で魅力が伝わるか? 使っているビジョンが浮かぶか?
作り手としては凝りがちになるのも分かりますが、なるべくシンプルで・明快で・分かりやすい商品であることにこしたことはないです。
そのうえでテストを行い、お客様の反応の良し悪しを見てみましょう。
まとめ
今回は「人の悩みにはどのようなものがあるのか?」「それをどうやって商品・サービス創造に落とし込んでいけばいいのか?」というテーマでお伝えしてきました。
加えてもう1点、ポイントとして付け加えるとすれば、あなた自身の強みを表現できているかどうか? です。
あえてここまで書かなかったのは、強み先行で商品・サービスを作っている人が多いからです。
あなたがすでに市場で知られた存在であるならいざしらず、起業したばかりの人間が強みだけを振りかざしても見向きすらされないのがほとんどです。
差別化、差別化と叫んだって、残念ながら自分より強力な強みを持っているライバルはいくらでもいるのだから。
しかしお客様の悩みを的確に理解し、それを解決するのに生かせる強みであれば鬼に金棒です。
くれぐれも「悩みの解決」ありきだと心得るようにしてください。僕も自分自身に言い聞かせます(苦笑)。
まとめ
- 商品・サービスは「人の気持ちを変える道具」であり、解決すべき人の悩みにはバリエーションがある
- 初めから上手くいくビジネスなどないのだから、小さくテストをしてアジャストする
- 自分本位ではなく、売りたいターゲットに一撃必殺で魅力が伝わるかを考える
今回お伝えしたことが、起業したあなたの商品・サービス創造のヒントになればうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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