ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。
「ホームページを立ち上げたらすぐにアクセスが集まるはず」「ネットで情報発信をしたら即、世界中にリーチできるはず」
と本気で思っている人がいますが、そんなうまい話はありません。
インターネットの世界も現実と同じ。自分が知られてもいないのに無条件で誰かが関心を持ってくれる。1回2回情報発信をしたからといって反応が得られるなんてことは…残念ながらないです。
まして起業したばかりの人が、いきなりネットを集客・販売ツールとして活用できる可能性は限りなく低いでしょう。
先に結論をお伝えすると「1回2回で諦めず、しつこく発信し続けること」が大事。
何を当たり前のことを…と思われるかもしれませんが実際できる人が少ないのです。情報発信は極論、テクニックではなくマインドによるものが大きいですから。
今回は起業家にとっての、情報発信との向き合い方についてお伝えさせていただきます。
情報発信に手を抜いていませんか?
発信した情報を「読んでくれて当たり前」と思っている人ほど、情報発信を手抜きしています。
主語と述語の関係が曖昧。具体的に理解できる言葉がない。行動を喚起させたり考えさせるメッセージがない。たとえば、他人のSNSを見ていて関心をそそられないのはそのような情報であるはずです。
では翻って、あなたが発信する情報も“手抜き”をしていないでしょうか? 自分のことほど自分では分からないもので、「分かってくれる」と思い込んでいるケースがほとんどです。(僕自身、注意していることですが)
情報で人を動かすのは、おそらくあなたが思っているより難しいことです。それはあなた自身が情報を起点に動かないことと同じ。
大前提として、手を抜かず丁寧な仕事をしているか? を振り返ってみてください。グサッときたというあなたは、心当たりがあるということですよね。
情報発信は親切心が一番大事です。
人は3回同じことをいわれてようやく理解する
マーケティングの世界では「人は3回同じことをいわれてようやく理解する」といわれます。
優れた広告文などを見ると、手を替え品を替え何度も同じメッセージを発信していることが分かります。ぜひそのような視点で広告を見てみてください。
情報発信に話を戻すと、そもそも読み飛ばしていることもあるし、目にしたタイミングではそれほど時間に余裕がないこともあるでしょう。1回目にしただけではよく分からなかったり、関心がそそられないタイミングであったということも十分考えられます。
心理学で「単純接触効果」と呼ばれるものがあります。
これは、何度も目にしているうちにだんだん気になる、好きになるという原理のこと。たとえば最初は気にも留めなかった異性のことが、会う回数を重ねるうちにだんだん気になってくるというのも、単純接触効果によるものといわれます。
あなた視点では1回の発信は確かに1回なのですが、受け取り手にとっては、必ずしも最初から最後まで情報をキャッチできていないということです。
ですから、1回2回発信して反応がないからといって、気落ちする必要はそもそもありません。3回同じことをいって初めてスタートラインと思えば、気が楽ではありませんか?
発信を繰り返すなかで、どんな伝え方が反応がいいのか? どんな時間が反応がいいのか? というのもデータを取ってみてください。体感的なものでいいと思います。(特に時間をアジャストすると如実に反応は変わります)
そうすると、だんだん受け入れてもらいやすい発信のスタイルが見えてくるはずです。
発信にやましさがあるということはつまり?
「何度も発信するのは気が引ける」という方がいます。話を聞くとだいたいが「やましい情報を発信している気がする」などというのですが…。
それは「やましいと思われる人」に向かって発信しているか、本当に「やましい情報」であるかのどちらかだと思います。
あなたが本当に「価値がある」と思える情報を発信しているのにやましさを感じているのなら、ターゲット意識がないことが原因です。単に「届けたい」と思える人だけに届ければいい、という意識の問題。
あるいはSNSであれば、あなたの発信に関心がないと思われるフォロワーは、最初からフォローしないことも大切です。
なぜなら、あなたはやましさを感じる。届けられる相手にとっても残念ながら「どうでもいい情報」ですから。お互いに不利益ですよね。
繰り返しますがターゲット意識、誰に届ける情報なのかを意識するだけで「やましい」と思っていた感情は変わります。むしろ相手に役立つ情報を届けているのだから誇りに思っていいはずです。
一方、本当に「やましい情報」というのは公序良俗に反するものはもちろんですが、他人の受け売りで発信している。自分の言葉や経験から語っていないということが原因として大きいです。
このケース、非常に多いのではないかと感じています。どこで聞いたことのあるような情報をさも自分の言葉のように語っている人ほど、続かない。SNSでもこのような発信をしている人は早晩いなくなるものです。
「自分を大きく見せよう」などと背伸びをしなくていいんです。背伸びした発信は容易に人に見抜かれて信用を失います。
今の、等身大の自分を発信することを心がけてみてください。体験して、経験して、自分の言葉にできてから発信してみてください。
他人の受け売りではなくあなたの言葉に価値を感じる人がいます。
情報発信はテクニックじゃない!
情報発信ではコピーライティングも重要といえば重要ですが、テクニックに溺れている人ほど見透かされやすいのも事実です。
「この言い方、よく見かけるけど何かのテンプレートじゃないの?」「うまいこといおうとしているけど、全然中身がない」
あなた自身、他人の発信を目にしてこう感じることはありませんか? そんな人に関心を抱けるでしょうか? 心地よさを感じるでしょうか?
ことセールスに特化した文章ならいざ知らず、自分を知ってもらったりファンになってもらったりするための情報発信であれば、大切なのは中身です。また先にお伝えした「何度も伝える」というマインドの方がよほど大事です。
他人が見て本当に共感できる情報なのか? シェアしたり、取っておきたくなる情報なのか? これが情報発信の原点です。
くれぐれもあなたは、テクニックに溺れて人の感情を操作するようなやり方に心をとらわれないでください。断言できますがまず上手くいきませんし、「やましさ」を感じる原因にもなると思います。
大事なのは信用貯金を積み上げること
1回2回の発信で見向きもされないということはつまり、発信者と受け取り手の間に信用がないからです。逆にいえば信用さえあれば、たった1回の発信でも追いかけてまで読んでもらえるということです。
単純接触効果の話をしましたよね。しつこく発信することで、やっとあなたという存在に興味を持ってもらうことができます。
さらに大切なのが、発信する前段階で、情報を届けたい相手としっかり関係構築することです。
たとえあなたに届けたいメッセージがあったとしても、どれだけそれが価値ある情報だったとしても、道端で声をかけた人がいきなり信じてくれるか? というとどうでしょう? 難しいことが分かりますよね。
お互いのことを知ってからでないと、人は人を信用しないものです。まずは相手とコミュニケーションを重ねて、信用の貯金を積み上げてください。
あなたが本当に届けたい情報を届けるのはそれから。ネットは手軽さばかりが取り沙汰され簡単に人と関係構築ができると思われがちですが、まったくそんなことはありません。
現実と同じです。準備を怠らないことです。
まとめ
情報発信がうまくいっている起業家の表層だけを見て、「自分も簡単にできる」「簡単に人に届くはずだ」などと思わないことです。
うまくいっているのではなく「うまくいくようになった」が正解ですから。それまでにはしつこい認知活動や信用構築、膨大なトライ&エラーがあったはずです。
最初から情報発信がうまくいくと思ってしまう方が、気落ちしたり「何度発信しても届かない…」と自己嫌悪に陥ってしまう原因になりますから。
冒頭でお伝えしたように「1回2回で諦めず、発信し続けること」を意識してみてください。情報発信とは、シンプルにそれだけです。
まとめ
- 発信を「読んでくれて当たり前」と思わず、3回以上繰り返してトライ&エラーする
- 情報を届けたいターゲットは誰なのか? を明確にする。自分の言葉で語る
- 発信の手前のコミュニケーション=関係構築の方がもっと重要である
今回お伝えしたことが、情報発信と向き合うヒントになればうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント