起業家が会社員気分のまま仕事のルーティンワークを減らすのは間違い?

ご覧いただきありがとうございます。マーケティングコンサルタントの大鹿です。

今回は、起業家にとってルーティンワークとはなんなのか? というお話をします。

というのも、起業家界隈では『起業家脳が重要』という話題でよくこんなことを耳にします。

「会社員の仕事は単調な作業をしていても給料になるけれど、起業家は自分で報酬を生み出さなければいけない」

これをそのまま受け取ってしまうと、実はちょっと危険。ルーティンワークはそこそこに、クリエイティブな(創造的な)仕事ばかりを増やせばいい、と誤解してしまうからです。

ルーティンワークとは本来、仕組みに従って淡々と仕事を終わらせられるという良い意味合いも備えています。そう考えれば、ルーティンワークとクリエイティブな仕事は対立するものではなく、むしろ共存させることでより効率よく成果を上げられるようになります。

多くの人が会社員を経て起業家になったと思います。会社員ではない、起業家ならではのルーティンワークとの付き合い方をお伝えしていきます。

目次

ルーティンワーク軽視は捨て去ってしまおう

さて、会社員として仕事をしていたら、多くの人が上司・先輩からこのようなことをいわれませんでしたか?

「ルーティンワークに時間を取られるな」と。

これが残念なのは、ルーティンワーク=単調でつまらない作業という一面的な認識があることです。本来はルーティンワークが「ある」のではなく、すべての仕事をルーティンワークに「変えていく」という姿勢が正しい。

ルーティンワーク軽視は起業したら捨て去ってしまいましょう。

そしてルーティンワークを、「無意識に淡々とできる非常に効率的な仕事のあり方」ととらえ直すといいでしょう。

成果に直結する仕事をルーティン化できれば最強

一般的に、商品・サービスの企画や開発、プレゼンテーション、お客様へのアポイントや商談などはルーティンワークの部類には入りません。

どちらかというとクリエイティブな(創造的な)仕事に振り分けられますし、とてもじゃないけれどルーティンワークにはできない…と、実は思い込まされています。

前述したルーティンワーク=単調な作業という一面的なとらえ方によって。

上で挙げたような成果に直結する仕事をルーティンワーク化することができれば、どうでしょう? 淡々と無意識にできて成果も上がる、まさに最強の仕事のやり方だと思いませんか?

現実にはクリエイティブで成果に直結するといわれる仕事にも、「嫌だ」「めんどうくさい」というマイナス感情が介在し、進みが遅々としてしまうことがよくあります。

そういった感情によるブレーキを軽減することにも、仕事のルーティンワーク化は役立ちます。

どんな仕事もルーティンワーク化する方法

ではどうやって、誤った認識にとらわれず、「淡々と無意識に仕事に取り組むための仕組み」本来のルーティンワークを作ることができるのでしょうか。

ポイントは、以下の2ステップです。

  • 業務プロセスを1タスク1時間以内になるように小分けにする
  • 最低1日1タスクを、スケジュールに書き込んで実行する

これだけです。2ステップをもっと詳しく見ていきましょう。

業務プロセスを1タスク1時間以内になるように小分けにする

たとえば商品・サービスの開発が分かりやすいでしょう。

  1. まずターゲット像を洗い出す
  2. 自社にあるリソースが競合に対し、どのような優位性を発揮できるかを洗い出す
  3. リソースが不足する場合、外部から協力を得られないかを考える
  4. ターゲット像に刺さる商品・サービスコンセプトを決める

…以下、いくらでも細分化できると思います。1タスク1時間以内で終えられるようなプロセスに小分けしましょう。

時折、自分の仕事は流動的で予測がつかないから明確に小分けができない、という人もいますが、それは正直、想像力の欠如にほかならないと思います。

予測できる部分だけ小分けにして事前対処するだけでも、ずいぶん効率的になるはずですから。

また、ここで必要になる仕事のフローをイメージする力は慣れ次第でどんどん精度が高くなっていきます。根性論のようになりますが「とにかくやってみる」のが大事です。

最低1日1タスクを、スケジュールに書き込んで実行する

小分けにした仕事=タスクを、それぞれ1日1つ以上実行できるように手帳などスケジュールに書き込みます。いつやるかまで時間をしっかりブロックしましょう。そして確実に終わらせることです。

「嫌だ」「めんどうくさい」という邪魔になる感情は、全体像が見えないうちに仕事の量・難易度を判断してしまっているからです。

小分けにしてきっちり“終えるための仕組み”を作ることで、漠然と抱えていた不安はずいぶん軽減されると思います。

上記のような2ステップのメソッドで、一見クリエイティブに感じられていた仕事も、ルーティンワーク化して効率よく成果を上げられるようになります。

仕事と作業を分けるための考え方

さらに起業家が成果にフォーカスしていくために重要なマインドセットをお伝えします。それは、

「仕事と作業を分ける」

ということです。

そもそも作業=なんとなく単調なこと、仕事=それ以外のこと、くらいの認識しかないのが実際のところでは? 会社員を軽視するつもりはまったくありませんが、会社でも「仕事と作業の違い」を正しく教えてはくれないですから。

我々起業家にとっての仕事と作業の違いは、

  • 仕事=あなたにしかできない成果につながること
  • 作業=誰にでもできる替えがきくこと

こう考えればいいです。

このように考えれば、作業は思い切って「外注」して、自分は仕事に集中する。さらに、前述したルーティンワークメソッドを活用して、自分の仕事はより効率よく、任せる作業は小分けタスクを工程表に置き換えることで、効率よく指示することができる。

いいこと尽くめです!

もちろん創業期で売上が少なければ外注という選択肢は取れないかもしれませんが、いずれにしても仕事の取り組み方として覚えておいてソンはないはずです。

まとめ

今回は起業家にとってのルーティンワークとは? というテーマでお届けしてきました。

会社員気分のまま、「ルーティンワーク=単調な作業」「だから切り捨てていく」という姿勢では、コントロール不能なクリエイティブワークばかりを増やすことになり、時間がいくらあっても足りなくなってしまいます。

一方で、ルーティンワーク=淡々と仕事を終えられる仕組みという意味でとらえてそれを活用すれば、効率も成果も一挙両得で高められるようになります。

本記事のまとめ

  • 成果に直結するクリエイティブな仕事をルーティンワーク化してこそ意味がある
  • どんな仕事も小分けにして→スケジュールに実行する時間をブロックする
  • 自分にしかできない仕事とそうでない作業に切り分けるとさらに効果的になる

特に、仕事の優先順位をつけるのが苦手という人ほど、今回お伝えしたことをご自身の仕事に導入してみてください。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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