いうまでもないことかもしれませんが、ビジネスは人の「問題解決」です。でも、この問題解決って、分かるようで分からないことはありませんか?
問題は、見えているものと見えていないものに大きく分かれます。そしてお客様とサービス提供者(自分ですね)が見ている問題にズレがあると、相手に不満を抱かれたり、満足度が上がらなかったりするものです。
問題解決という言葉が実はフワッと曖昧なだけに、きっちり定義を理解できているかどうかで仕事の成果が変わります。特に起業初期の方こそビジネスの分かれ目になるので、ぜひ本記事でお伝えすることを参考にしてくださいね。
お客様の立場なら、どう思うか?
検索をイメージしていただければ分かると思いますが、なんらかの悩みや解決したい問題があって検索窓にキーワードを入力しますよね? 「今日のお昼は何にしよう?」という感情も、一見悩みには見えませんが解決したい問題という点ではまぎれもなく悩みです。
そしてその問題は、「今すぐ」解決したいものであるはずです。飲食店の情報を探しているのに、ランチのテーブルマナーやお寿司の注文作法が表示されても、「今」必要なものではないはずです。
謎かけみたいですが、お客様は、欲しいものが今すぐ欲しいのです。
しかしこれがサービス提供者の立場になった途端、相手が欲しいものではなく「必要になりそうなもの」を提案してしまうケースが多いです。その道のプロであればあるほど、陥ってしまう問題かもしれません。
たとえば、「美味しく食べるには作法が大切ですよ」といった提案をしてしまうような。
お客様の立場からすると、どうでしょう? たしかに重要かもしれないけれど、今自分に必要なのは「何を食べるか」であって作法ではないわけだから、ありがた迷惑ですよね。
極端な例ですがあなたのビジネスが相手にとって「ありがた迷惑」になっていないか? 立ち止まって考えてみてください。お客様の信用が得られないといった悩みが今あるなら、問題解決の定義を間違えているかもしれません。
相手に共感することが大切
コピーライティング(広告販促文)の世界では、問題の洗い出しや解決策の提示もさることながら、読み手への共感がもっとも大切だといわれています。
たとえ、読み手の問題を的確に言い当てていたとしても…読み手とサービス提供者の間に架け橋がない状態だと、売り込み臭がしたり、「あなたにいわれる筋合いはない」と突っ返されたりしてしまうからです。
押し売り営業がまさにそうですよね。どんなに役立つ商品・サービスであっても、「買って、買って」では買わないものです。
たとえば、相手の抱えている問題をあなた自身も経験したことがある。問題をほったらかしにしたことによって悲惨な目にあった知人がいる。などのように共感を示してあげれば、「この人は自分のことを分かってくれている」と感じてもらえるはずです。
情報が氾濫し何を選べばいいか、お客様自身が分からなくなっている今だからこそ、共感力ほど大切なものはないと思います。
必要なものを提案するのは信頼関係ができてから
お客様が抱えている問題に対し、あなたがより良い解決策を持っていたとしても、それが相手にとって何より必要だと感じていたとしても、まずは相手の「欲しい」に共感することです。
欲しいを聞き出し、あなたがその解決策を持っているのであれば、まず目の前の問題を取り除いてあげましょう。お客様は自分の目に見えている問題に、頭を悩ませているのです。くれぐれも、自分視点を押し付けないこと。
今、お客様の目に見えていない解決策は、たとえ「必要」であっても信頼関係ができてからです。
目に見える問題を的確に解決すれば、お客様は感謝してくれます。信頼のゲージがグンと上がります。(中には解決された途端「それじゃ」と去っていくだけの人もいますが、そのような人はそもそもお客様たり得ないということです)
僕はお客様との関係性を「信用貯金を貯めること」と考えています。信用は一気にできるものではありません。どれだけいい人だと感じていても、少し話をしただけでは信用しきれるものではないですよね。それと同じことです。
まず、目の前の解決して欲しい問題を解決してあげる。そのあとで徐々に信頼関係を築いていけば、あなたが相手に必要だと感じるものを、受け入れてくれるようになるでしょう。
相手の問題とあなたが感じる問題。目に見える問題と見えない問題を、はき違えないことです。
コンサルタント的な考え方を持とう
ビジネスをスムーズなものにするために、誰もがコンサルタント的な考え方を持てばいいと僕は考えています。
コンサルタントは悩み解決そのものが仕事である以上、聞き手の立場が9割といわれています。相手が抱えている問題と、求める理想の状態を何度も往復して、最適な解決策を提案することが秘訣です。
いきなり自分の商品・サービスありきで考えてしまうから、ビジネスがスムーズにいかなくなるのです。そうではなく、まず問題のキャッチに重点を置くこと。
もし、自分が相手の目の前の課題を解決できなければ、素直に他の誰かの力を借りればいいのです。たまたま、あなたが専門とする分野で解決できない問題であることもあるでしょう。
(もちろん時間的猶予があるのなら、調べてても新たに知識を身につけてでも、あなた自身が解決してあげられるとベターです)
コンサルタントは町医者だといわれます。自分で解決できなければ、大学病院に推薦状を書くようなイメージでとらえるといいと思います。
このコンサルタント的な考え方を持っているだけで、ビジネスの幅は大きく広がります。たとえば、集客をしたいときにあなたの専門分野ありきでなく、悩みありきで考えれば見込み客は無数にいるものです。
お客様の悩みの一部にでもあなたの専門分野がかかっていればいい、とする考え方ですね。
少し話が逸れましたが、コンサルタント的考え方を持つと問題解決の視点が磨かれますので、ぜひ取り入れることをオススメします。
まとめ
問題の取り違えは、起業したビジネス初心者にありがちなことだと思います。百戦錬磨のプロでさえ問題を見誤ったりすることがあるわけですから、無理もありません。
僕自身も、自分にプロ意識があればあるほど陥ってしまいがちで、多々反省する場面があります。。
ただ誤りに気づけるだけマシなもので、相手の問題以上に自分の問題に気づけないのが一番“イタい”です。ビジネスが上手くいっていないと感じるときほど、技能的な部分より考え方の部分を見直した方がいいと思います。経験上。
今回のまとめ
- お客様が「今すぐ解決して欲しい」問題と、あなたが定義する「解決のために必要な手段」にはズレがある場合がある
- どれだけ正しい主張をしていても相手への「共感」がなければ伝わらない
- 「解決のために必要な手段」を提供するのは、お客様の目の前の問題を解決し、信頼関係ができてから
問題解決って言うは易しですが非常に奥が深いものです。今回お伝えしたことをヒントにして、今後のビジネスに生かしていただけるとうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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