「あの会社と取引がしたい」「あの人と仕事をしてみたい」という気持ち、あなたにはありませんか? きっと、ありますよね?
一度はなんらかの形で、接点を持つことができると思います。話をするだけなら会ってくれるかもしれませんし、SNSを通じて“ゆるい”接点を持つことは可能です。
しかし、それを仕事につなげようとなると…一筋縄ではいかないもの。なぜなら、相手にはこちらと仕事をする理由もなければ信用もないからです。
とはいえ何もアクションを起こさなければ、せっかく持てたご縁も風化していく一方。そこで今回は僕自身が成功した、大切にしたいご縁を仕事に変えるコツについて、お伝えしていきます。
「間接的に」コンタクトし続ける
実は最近、半年前に初めてお会いし、SNSで“ゆるく”つながっていた方と、ご一緒にプロジェクトに取り組むことになりました。しかもご依頼は先方から。
その連絡をいただいたときの気持ちは、ただただ「信じられない」のひと言でした。
今は本当に便利な世の中です。SNSを通じて「間接的」につながりを保ち続けられますから。しかし先ほども書いたように、何もしなければ関係性は風化していくだけです。
実際は非活性になっていく関係性の方が多いくらい。その中で、本当に大切にしたい関係性をキープし続けるためには、少しずつ信用してもらうことです。
相手に信用していただくのに近道はありません。貯金通帳を思い浮かべてみてください。少しずつお金を貯めていくように、相手の信用通帳に信用を振り込んでいくのです。
相手の発信にリアクションする。相手が求めていそうな情報を発信する。平たくいうと、SNSという場を上手に活用して、1対1でコミュニケーションをすることです。
このような場を持てることは、実はかなりすごいことで。先日も前述のクライアントさんからお聞きしたのですが、「自分の名前を利用したい」「商品を売りたい」という人からのメール、ダイレクトメールなどが毎日山のように届くのだそうです。
しかしどれだけ有益な内容であっても、信用がない状態では何も始まらないものです。
その点、SNSに対してユーザーが求めることは①情報収集と、②コミュニケーション、③自分(自社)の認知です。
もっとも、コミュニケーションは「暇つぶし感覚」でやっていることが多いので、あなたや僕がご縁を作りたいと思っているような優秀な人間はそれを求めていないでしょう。暇つぶしに費やす時間は、ありませんから。
SNSは1対多で成り立つ場ですが、「1対1」になれるような関係性に持ち込みましょう。そこで大切なのが先ほども書いた、意中の相手の発信にリアクションする。相手が求めていそうな情報を発信する。です。
売ろうとしない
「相手が求めていそうな情報を発信する」などというと勘違いされる人がいるかもしれませんが、売ろうとしてはダメです。
人は本能的に売り込みを嫌う生き物ですから、セールス臭が垣間見えた途端、離れていきます。あなた自身も、相手に信用のない状態で売り込みをされたら、不快な気持ちになりませんか?
1対1の関係に持ち込むと書きましたが、買い手と売り手ではなく、個人と個人ととらえていただいた方が分かりやすいかもしれません。個と個。人間と人間です。
信用がない状態での売り込みには「自分が得をしよう」という感情が見え隠れしています。そうではなくて、まず相手に得をしてもらうことです。
何も無償でサービスを提供するということではなくて、得になる情報を提供するとか、極端な話、相手と所在地が近いのであれば美味しい飲食店の話題でもいいでしょう。
(実際、人間の三大欲求や衣食住遊生活に関わる情報は誰もが関心のあることです)
相手が頻繁に情報発信をしている人であればチャンスで、コメントを通して共感を示すのも効果的です。
信用貯金を貯めるのにもっとも有効なのは、相手との共通点を増やすことです。あなた自身の身に置き換えてみると分かると思いますが、共通点が多い人間のことは信用しやすいですよね。
特に、自分と「考え方が同じ・似ている」人に対しては信用を築きやすいといわれています。
その点、嘘っぽいのはNGですが共感を示すという行動は効果的ですし、ある程度関係性ができている状態なら、あなたと相手の架け橋になるような「考え方」を、あなた自身が発信するのもいいでしょう。
これは実際に、僕自身も取り組んでいたことです。
長期的に取り組むこと!
売ろう売ろうとするのは短期的成果を求めすぎです。ものを売るという感覚より、「いい人間関係が続けばいい」くらいの感覚で長期的に取り組むことが大切ですね。
商品・サービスを介した関係だと、仮に買っていただけた瞬間に終わりになってしまう場合もあります。
そもそも人は他人のことを過剰に気にかけていないものですし、期待しすぎない程度のところから、徐々に関係構築に努めていきましょう。長期的に取り組むことですね。
信用貯金が唯一、金銭の貯金と違うのは、いきなり貯まらないことだと思っています。お金であれば「一発当たる」こともあるかもしれませんが、人間関係はそうもいきません。
まして仕事や報酬としてご縁が返ってくるには、時間をかけて「この人は信用できるし、自分の悩みを解決してくれる人だ」と感じてもらえるような関係を、作っていかなければいけません。
僕自身も自戒として感じていることですが、自分という人間が相手に求められる「商品」であれば、信用さえあれば必要なとき、必要なタイミングでオーダーが入ります。その架け橋として、信用を貯金していくのです。
恋愛も同じですよね。短期的には成り立たないし、必要と思ってもらえなければ、なおかつ信用がなければ付き合いは始まらないものです。逆に…短期的な行動は人間関係をぶち壊しにします。
先ほども書いたように、買い手と売り手ではなく、個と個、人間と人間との関係をいかに築いていくか? です。
まとめ
今回、読まれる方によっては「何を当たり前なことを」と思われたかもしれません。安心してください。「当たり前」と思えたあなたは、とても優秀だと思います(笑)。
ただ、そうじゃない人が本当に多いんですよねえ。自分の得が先行しすぎていて、腹に抱いているものが見え隠れしすぎている。
「出せば売れた」時代の考え方が残る、日本型営業社会の功罪なのかもしれません。ものがあふれている現代では、「買って買って」では通用しないものです。
大切なのはご縁をいかに育てていくか? です。ご縁というものは信用なくしては続きません。ビジネスではなく、ごく当たり前の人間関係に置き換えてみることです。(こと仕事になると見失ってしまう人がいかに多いことか)
信用を貯金し続ければ、いつかご縁は返ってきます。それがあなたが望む仕事や売上という形かどうかは分かりませんが、あなたが相手の悩みを解決する商品でありさえすれば、確率を高めることはできるでしょう。
いずれにしても、信用を生むために大切な、「相手を理解する」ということです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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