「どうやって新しいお客さんを集めようかなあ?」
などと考える前に、、ちょっと待ってください…
既存のお客様、地域のつながり、友人知人などを活用して、集客できる機会はありませんか? リソースは間違いなく持っているはずです。
最近、ありがたいことに多くの地域企業の方々と関わる機会が多いのですが、新規事業を立ち上げようという時にほぼ必ずお聞きするのが、前述のような「新規集客の課題」です。
新しい事業だから、新しいお客様を集めなければいけないという先入観を持たれていることが多いようです。
たとえば、ある中古自動車販売/整備工場をされている方は、社運を賭けて新たにアウトドアショップを立ち上げようとしているのですけれど、やはり「どうやって新しいお客さんを集めようかなあ?」と悩まれていました。
もともとアウトドア向けの車を扱っているから、アウトドアショップを開くという発想です。それ自体は正攻法そのもの。
勘のいい方なら、この時点で矛盾に気づかれるかもしれません。
結論をいうと、既存の中古車購入者・整備を利用されたお客様に再度アプローチをすればいいだけ、なんですよね。「あなたの自慢の車を、もっとアウトドア仕様にグレードアップさせませんか?」などと。
だけれども、別の事業だからイチから集客をしようと考えてしまい、広告はどうだ? SNSの発信がどうだ? といった方法論の話が、たいてい先に出てきてしまいます。
広告やSNSは派手に見えるし、一見成功例が多いから「やって当たり前」という考え方になってしまうのも分かります。打ち手として持っておく必要は、当然あると思います。
(見えないだけで、失敗例の方が成功例より圧倒的に多いはず)
しかし広告には経費がかかりますし、SNSは無料という点ばかり取り沙汰されますが、集客力に変えるには多大な時間がかかります。時間も立派なコスト。
本来、集客というものには多様な選択肢があるはずです。
落とし穴になりがちなのがお伝えしたように既存のお客様へのアプローチなのですが、集客の選択肢に入っていなかったり、やりたがらなかったりすることが多いように感じます。
必要とされるなら友人知人に連絡を取って提案をしてみるのもいいし、地域のつながりを活用して、コミュニティセンターなどに自作のチラシを掲示させてもらうのも立派な集客活動ですよね。
集客に苦労する理由は、最初は会社や事業に信用がないから。だったら、もともとある信用(=リソース)を使えばいい。簡単なことです。
よく通販広告で「お客様の声」を掲載しているものがありますが、あれも大抵は信用のある既存客に商品を使ってもらい、その信用を目に見える形で発信しています。
信用が証明できれば、口コミが生まれ、人が人を呼ぶようなことも巻き起こります。
僕のように独立してゼロから事業を始める身からすると、すでにリソースがあるということは羨ましい以外の何者でもなかったりします。
大切なのは優先順位なんですよね。
派手に見える手法ばかりに目を奪われないでください。派手だから、みんな使っているから、なんか良さそうだから…そのようなことで簡単に集客ができるなどと、本当は思っていないはずです。
たとえ泥臭くなっても、今、すでにあるリソースから使えるものはないですか?
ネットを販売チャネルにしているから、ネットだけで売らなければならない、などということもありません。
新規事業をするなら、初めから、既存の集客リソースを流用する形にできませんか? 間違いなくできるはずです。そもそもが会社にある資源を使って新しいビジネスをするわけなのだから。
もし集客に悩んだら、今まで培ってきたものの中から何か活用できないか、書き出してみることをお勧めします。
自分では自分のことが分からないものですから、社員や自社をよく知る人に意見を求めるのも有効だと思います。
先入観を持たない。優先順位を考える。
これが、集客をするうえで手法より前に考えるべきことです。
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