元編集者として800件以上を取材。実店舗・中小企業様を選ばれる存在に導く、地域特化Webコンサルタントの大鹿です。
今回は、自分(お店・会社、あるいはビジネスそのもの)のウリを明確にすることについて、お伝えしていきます。
最近、僕自身が競合調査を行うなかで「おそらくこの人は成功しているだろうな」と改めて思えたのが、自分のウリが明確な人でした。何をしていて・お客様をどういう未来に導くのか? が、HPやSNSを見てパッと分かる人。
特にこの情報化社会においては、人はあらゆることを「検索」によって知ろうとします。たとえ検索される側にいろいろなウリがあったとしても、人はピンポイントで知りたいことだけを知ろうとする。
ウリを明確にすることはお客様への親切にもつながるので、今回はその方法について、書いていきたいと思います。
人は2〜3秒で相手を判断する
年々短くなっているといわれますが、人はパッと見の2〜3秒で、物事を判断するといわれています。何を判断するのかというと、「自分にとって利益があるか? そうじゃないか?」です。
「読みたい・見たい・聞きたい」のではなく「自分のことを理解して欲しい」というのが人の本心なので、自分にとって関係がないと思える情報は、スルーしてしまうことが多いです。(たとえ、見ている情報のなかに、利益になる情報があったとしても)
たとえば、最近僕が目にしたなかで「利益があるかどうかパッと見分からない」と気になったのが、あるショップブランドのSNSページです。
店名が馴染みのない英語で、プロフィールの説明や投稿文が、なぜか英語。いわゆる新聞やポスターにあるイメージ広告を模した、世界観を大事にするような発信でしたが、「これじゃあ自己満足だよなあ」と。
読み手は「読みたい・見たい・聞きたい」とは思っていないので、何を売っていて・それが自分にとってどう役立つのか? が分からないと、その世界観に引き込まれようもないんです。
ウリを明確にすることは何よりもお客様への究極の親切の1つですし、終わりのない改善だと思います。うまくいっている同業他社はどういう見せ方をしているのか、研究を重ねるのも、自分を進歩させるために必要ですね。
あなたの特徴を20秒で2つ挙げると…
では、どうすれば自分のウリを明確にできるかというと、よく本などでも書かれていることですが、「自分の特徴を20秒で2つ挙げてみる」ということです。
TVCMなどもだいたい15秒くらいだといわれているので、少し長く考えて20秒。
1つだけだと不明確なので、2つ挙げます。たとえば、あなたが「魚屋です」といっても、どこで営業している魚屋なのかが分からなければ、お客様は行きようがないですよね。2つ判断軸があってはじめて、理解するに足る材料になるということです。
言葉にすると簡単ですが…これ、やってみるとかなり難しいです。ついついいろいろ言いたくなってしまい、絞り込むのにどれだけ苦心するか、分かるはずです。(「いろいろやっていること・売っていること」そのものがウリというケースもあるでしょうが)
ここで1つポイントなのが、「最後の最後に口を突いて出てくる言葉」が、あなたの本当のウリを表すキーワードだったりすることです。
「自分は高松市◯◯町で、親子二代で魚屋をやっています。えーと、、そう、マグロの目利きには自信があります」
そうすると、「高松市◯◯町にある、マグロが自慢の魚屋」という、明確なウリが引き出せますよね。頭で考えているだけでは引き出せないので、ぜひ口に出して、やってみていただければと思います。
なぜウリにしているのか? 理由も大事
特に企業などでは見逃されていることが多いのが、それをウリにしている「理由」です。ウリに興味を持っても、根拠があってはじめて、人は納得するからです。
前述の「マグロが自慢の魚屋」の例だと、たとえば、先代がマグロの仲買人をやっていたとか、マグロにこだわる料理店からの要望に応え続けてきたといったエピソードが、必ずあるはずです。
それを聞くと、「だからマグロがウリなのね」とお客様も納得し、買ったり、足を運んだりするようになります。
特に情報にあふれた現代では、ちょっとやそっとのことでは、いくらウリが明確であっても差別化というのは難しいものです。地域ナンバーワンならなぜ地域ナンバーワンなのか? しっかり理由を答えられないと、お客様は目にしたとしても、来店まで結びつかないことになってしまいます。
なぜ?なぜ?なぜ? と、あらゆる物事に対して常に理由をセットで考えることは、特に今後重要になっていくフレームワークだと思います。
まとめ
何度かお伝えしてきましたが、ウリを明確にすることは、あなたにしてみれば「いいたいことがいえなくてつまらない」かもしれませんが、何よりもお客様への親切だということです。
知ってくれて・来てくれて、やっとあなたの方も売上なり成約といったものになるわけですから、言葉にすると簡単なことですが、しっかり取り組むべきことだと思います。それに、終わりのないことでもありますね。
- 人はそもそも「読みたい・見たい・聞きたい」とは思っていないので、2〜3秒のパッと見で良し悪しが判断できるよう、ウリを明確にすることが大切
- 自分の特徴を20秒で2つ挙げてみる。最後に口を突いて出てくる言葉が、あなたの本質を表すキーワードである場合がある
- なぜそれをウリにしているのか? 理由をセットで考えよう
今回お伝えしたことを真剣に考えている人(お店・会社、あるいはビジネスそのもの)は、案外いませんし、ちゃんと取り組んでいる人は、パッと見で成功しているように感じられるものです。(パッと見で感じられるというのが大事!)
ぜひご参考にしていただければうれしいです。お読みいただき、ありがとうございました。
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