元編集者として800件以上を取材。質問力で実店舗・中小企業様を選ばれる存在に導く、地域特化Webコンサルタントの大鹿です。
ビジネスでは、市場調査や競合調査といった「リサーチ」が大切だと言われます。ネットの発展で検索やSNSを通してリサーチができるようになりましたし、それはそれで便利ですが…僕自身は“生”のリサーチに勝るものはないな、と考えています。
“生”といってもそんなに難しいことじゃなく、お店に行ってみる、サービスを利用してみるというふうに、日常の体験すべてが自分のビジネスを成長させる糧になります。アンテナさえ張っていれば。
今回は、“生”の体験を自分のビジネスに生かすための考え方について、お伝えさせていただきますね。
競合のサービスを体験してみよう
競合のサービスを体験してはじめて、競合はどこが優れているのか? 特にどういう顧客層に価値を届けているのか? 逆に自社はどういった付加価値をつければ勝てるのか? 考えることができます。
自分がやっていることだけに集中してしまい、競合分析はついついおろそかになりがち。(どころか、僕が以前働いていた会社は、まったく競合を見ませんでした。出し抜かれてから気づくという。。)
競合のサービスを知るなかで自分のサービスに足りないことも見えてくるので、地味な作業ではありますし、「勝った負けた」と心理的にツラいことではありますが、これも慣れ。体験してみることは大事だと思います。
「なんとなくいい」を分析する方法
たとえば、飲食店に行ってメニューやPOPの見せ方に工夫を感じたり、サービスに感心したりすることはありますよね。そういうとき、たぶんこう思っているはずです。「(なんとなく)いいな」と。
でも、どんなに感心したサービスでも、「いいな」では忘れてしまいます。たとえメモに書き留めたとしても、何が自分の仕事に生かせるのか? どう優れていたのか? その場で分析していないと、見返したときに活用できない。
そこで、「なんとなくいい」を具体的に分析する手法としてオススメなのが、5W2Hのフレームワーク。
- Why …なぜそれをやっているのか?
- What …何のためにやっているのか?
- Who …誰がやっているのか?
- Where …どこで(どんなプラットフォームで)やっているのか?
- When …いつやっているのか? いつからいつまでやっているのか?
- How …どのような手法でやっているのか? 顧客はそれを得ることでどうなるのか?
- How much …いくらでやっているのか?
ここまで漏れなく細かく分析すれば、自社のビジネスに何がどう生かせるのか分かってきますし、異業種のビジネスモデルからアイデアを盗むこともできます。
体験によって受け取れる価値はそこらじゅうの商品・サービスにあり、それらを生かすも殺すも、自分の考え方次第。分析のフレームワークが得られるだけでも意識が変わってくるので、日常すべての体験を、本当の意味で自分の糧にしたいものです。
どこに感動のトリガーがあるのか分析する
僕たちは商品やサービスそのものが欲しいわけではなく、それによって得られる体験・未来に価値を感じて利用します。
価値の計り方として1つポイントになるのは、直感的な「感動」だと思います。受け取った「瞬間の感動」と、その商品の背景にある「物語の感動」が大きければ大きいほど、「買ってよかった」と自分を納得させることになります。
たとえば、飲食店で見た目にも美しい料理が出てきたとき。お店を出ようとすると、店員さんが外まで出てきて、丁寧にお礼を言ってくれるとき。「瞬間の感動」を感じますよね。「ここまでしてくれるんだ」って。
そしてそのお店のことをもっと知るうちに、背景であったり店主の想いであったりに共感して、「このお店は自分を満たしてくれる場所だ!」と思う。(物語の感動)
感動が意識的に設計されているかどうかは別として、商品・サービスのどこに感動のトリガーがあるのか、考えてみるのも非常に勉強になります。
Amazonで商品を買ったあとに表示される「◯◯を買ったあなたにはこれもオススメ」という案内も、一種の感動ですよね。いまでは当たり前になってしまいましたが、購入者の趣味嗜好を読み取ってオプション提案してくれるなんて、冷静に考えたらスゴいことです。
そして感動を受け取った自分が、今度は与える側として意識的に感動を設計していくことが、大切になりますね。
お客様に新しい習慣を作る
体験から得たアイデアや感動を生かすときに考えたいのが、「お客様に新しい習慣を作る」ことです。
あなたが提供する一連のサービスのなかに、それまでなかった要素を加えるだけでも、「新しい習慣」になります。これまで情報発信していなかった時間にSNSを投稿することも、読み手にとっては「新しい習慣」。今まで売場になかったものが新しく売られていたら、それはユーザーにとっての「新しい習慣」。
新しい習慣を作ってあげることは、お客様があなたや商品・サービスに想いを馳せる時間を増やすということです。お客様の日常のなかにどれだけ食い込むかが、あなたが選ばれることにつながってきます。
抽象的ではありますが、マーケティングでも非常に重要な考え方の1つなので、意識してみていただければと思います。
まとめ
おそらく、これまでもあなたは、自分のビジネスに取り入れられる商品・サービスをいくつも目にしているはずです。何かキャッチしようと、アンテナを張っていたかもしれません。
しかしながら、どう分析するか? 何に着目するか? という点を備えていないと生かしようがないのも事実なので、ぜひ、今回お伝えしたことを活用したいただけるとうれしいです。
- これまで「なんとなくいい」と感じていた商品・サービスを、5W2Hで漏れなく細かく分析しよう
- 「瞬間」と「物語」の2つの軸で、どこに感動のトリガーがあるのか分析しよう
- 分析して得たアイデアや感動を、「お客様の新しい習慣を作る」という視点で構築していこう
日常の体験すべてを、あなたのビジネスの糧にしていきましょう! 成長のヒントは、そこらじゅうにある!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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