元編集者として800件以上を取材。質問力で実店舗・中小企業様を選ばれる存在に導く、Web販促コンサルタントの大鹿です。
今回は、SNSをビジネス利用、集客目的で使っているけど、「いまいちフォロワーが増えない!」とお悩みの実店舗様に向けた内容。
「SNSのフォロワーを増やしたくて」。ちょくちょく、僕もご相談いただくんですが、『目的』をお聞きするようにしています。「フォロワーを増やすのではなく、来店を増やし、売上を上げるためにSNSを使っているんですよね?」と。
残念ながら、SNSのフォロワーを躍起になっていくら増やしても、それだけでは売上につながらないです。その理由と「じゃあ、どうすればいいか?」という部分をお伝えしているので、今後のSNS活用のヒントにしていただければうれしいです。
SNSユーザーは交流を求めているから
「たくさんフォローをしているのに、相手からフォローされない」
そんなお悩みをよくお聞きするんですが、たいていそういう人は、フォローはするけど交流していないというケースが多いです。
SNSユーザーの本質は、①.情報収集目的だけとキッパリ割り切っている人か、②.交流を求めている人のどちらかです。①の人はそもそも売上を作ってくれる見込み客になりにくいどころか、探すことさえ至難の業。表に出てきていないわけですからね。
ユーザーは、思っているよりフォローしてきた相手のことを見ています。どんなプロフィールなのか、ちゃんと交流をしている人なのか、謙虚で付き合いやすい人なのか。そのうえで、フォローを返すかどうかを決めます。
ですから、「自分からフォローはしたくないけど、相手にはされたい」なんて都合のいいことも通用しません。
「あのお店はフォロー数は少ないないのに、フォロワーが何千人もいる。SNSを通してちゃんと来店も増えているらしい。ああなりたい」。
これも、よく質問されることなんですが、なんら難しいことをしているわけではなく、実店舗でちゃんとお客様と交流していることが成功要因です。
お店に好意を持った人が自然とSNSをフォローして、フォローしたユーザーたちの盛り上がりを通じて、どんどんフォロワーが増えていく。いい噂がいい噂を呼ぶパターンですね。
あとでも書きますが、SNSの向こう側にいるのはデータや数字ではなく、人。「フォロワー」という言葉でとらえるから難しくしているのであって、初対面の人に対してどう接しますか? というシンプルな問題なんですよね。
人と友達になろうと思ったら、その人がどういう人なのか? ちゃんと自分と交流してくれそうな人なのか? 普通ならまず知ろうとしますよね。
友達になって、相手が信頼できると思えて、そのうえで相手が勧める商品が自分のニーズを満たすものだったら、そこで初めて買うわけです。
主婦さんたちの井戸端会議を想像してみてください。「あそこのエステよかったわよ、なぜなら〜」。こんな交流がSNS上でできるようになることが、『SNSを使って売上を増やす』ということ。
「フォロワーの数」より、「フォロワーと交流する数」を増やしていくことを意識してみてください。コメントを返す時間がなければ、「いいね」だけでもする。「ちゃんとあなたのことを見ているよ」というアクションを、自分から起こすようにしましょう。
これが、原理原則です。
そもそも何千人ものフォロワーを手に負えないから
何千人、何万人とフォロワーがいても、じゃあその人たちの何割、いや何%がものを買ってくれるのか、考えたことはあるでしょうか?
インフルエンサーと呼ばれる何万人もフォロワーがいる人たちでさえ、商品を紹介してもほとんど売れないこともザラです。なぜかというと、これまた単純な話ですが、フォロワーはものが欲しくてインフルエンサーをフォローしているわけではないから。
それに、“なんとなく”フォローしている、タイミングが合えば投稿を見る、くらいのスタンスでフォローをしている人も多いです。あなたがユーザーとしてSNSを使っているなら、そういうケース、ありませんか?
そもそも、何千人もフォロワーがいたとして、そのうち何%の人と信頼関係を作ることができるしょう?
フォロワーが増えれば増えるほど、1人ひとりと交流することは難しくなります。懇意にしていたフォロワーの投稿を、見落とすことにもつながりますよね。
そうやって、だんだん交流頻度が少なくなって、せっかく信頼関係ができていた人が離れていくことにもなりかねません。
1000人フォロワーがいて結果10人くらいとしか交流できないより、100人のフォロワーでも20人と交流できた方が、関係構築になります。母数は関係ない。むしろ、母数が多ければ多いほど、手に負えなくなることに。
この点からも、無目的にフォロワーを増やすのではなく、「交流できるフォロワー」を作っていくことが大事であることが、お分かりになると思います。
SNSは集客の入口でしかない!
今回、SNS活用にお悩みの実店舗様に向けて書いていますが、そもそも実店舗様の目的は、SNSを通じて来店を促すことになりますよね。
躍起になって「フォローだ、フォローだ」とフォロワーを増やそうとしても、本当のところは、リアルな『1人』に来店してもらうためにSNSを使っているはずです。
SNSの先にいるのは、フォロワーではなく人。既存のお客様であったり、見込み客になりうる人であったり。ともかく、人です。
フォロワーを増やすことが目的になっている人ほど一方的な情報や、業務連絡に近い淡々とした内容しか発信できていないことが多いです。
でも、SNSの向こう側にいるお客様が求めているのは、来店してどんな体験ができるのか? どんな美味しい食べ物があるのか? どれだけ美しくなれるのか? 自分が長年抱えている悩みがどう解決されるのか? といったことです。
こうした「お客様が知りたいこと」を発信することでどんどん交流が盛り上がっていきますし、信頼関係も構築されていきます。
SNSは集客の入口でしかない、ということ。未来に来店されるリアルな『1人』に、どんな情報を届ければ喜んでもらえるか思いを馳せること。
僕はSNSに裏技なんかないと考えていますし(あっても半年で廃れます)、これ以上でもこれ以下でもないと思います。
まとめ
SNSを魔法の客寄せツールのように考えている人がヒッッジョーに多いのですが、人と人との交流を、現実からネットに移し替えただけです。
「友達になってくれ!」というお願いだけではフォロワーは増えませんし、増えたところでそれは薄い関係性でしかなく、来店・売上につながることはまずないでしょう。
何度もお伝えしてきたことですが、まず交流すること。相手を理解し、共感してあげること。相手の役に立つ、未来を明るくする情報を届けること。これが原理原則なのです。
- SNSユーザーはコミュニケーションを求めているから、
- フォロワー数ではなく、手に負えるだけの「交流できるフォロワーの数」が大切であり、
- 画面の向こう側にいるのはデータではなく、リアルな『1人』であると認識する
このポイントを意識し、今後のSNS運用に生かしてみてください。実際、フォロワーを増やそう、増やそうとするより、接客慣れしているあなたなら、この方が気が楽ですから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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