巷でよく聞く「お金はあとからついてくる」問題について考えてみたいと思います。
僕も起業してこの「お金はあとから〜」という言葉を嫌というほど耳にしてきました。
仕事の流れとして、受注があって・サービスを納品して・入金があるわけなのでお金はあとから入ってきます。つまり、普通に仕事をしていてもお金ってあとから入ってきているんですね。
この言葉の問題は、発する人によって「あとから入ってくるのだから今はお金を望まないでいい」という身勝手なニュアンスが含まれていることです。格言的に流布しているのをいいことに、私たちを利用しようとする人もいます。
起業したあなたがバカを見ないために、「お金はあとから〜」という言葉の本質をお話していきます。
「お金はあとからついてくる」は半分間違い・半分正解
「お金はあとからついてくる」は私の解釈では半分間違いで半分正解です。
タイミングはさておき、仕事とお金は等価交換の関係にあります。人の課題を解決するサービスと、対価との交換。まずこれが成り立たないと仕事ではないというのが大原則です。
そして先ほど書いたように、店舗ビジネスなどを除けば受注と入金はおおむねズレるので、そもそもお金はあとから入ってきます。
つまり「あとからついてくる」のは分かっていて当然、とも言えます。
ところが、起業をすると稼ぐことが本当に大変なので、お金の捉え方がくぐもってしまうように感じます。
「稼ぐために人に貢献しなきゃ、貢献しなきゃ」と思い込み(思い込まされ)、自分の仕事とは関係のないところで時間を浪費したり、あとから入るお金のためにお金を消費したり。稼ぎたいはずなのに矛盾した状況に陥ってしまうんです。
僕は「お金はあとから〜」という言葉を良い意味で使う人・悪い意味で利用する人の両方に出会ってきました。
良い人は後述するように、自分のサービス・プロダクトを磨き続ければ結果として大きなお金はついてくるよ、というアドバイスをしてくれる人です。もっと簡単に言うと、自分の仕事に集中しようね、と言ってくれる人です。
悪い人は、、悪い人というと語弊があるかもしれませんが、他人に貢献しないとお金は巡ってこないと本気で思っている人たち。
その貢献の形というのが、自分の仕事ではなくてたとえば付き合いの時間を必要以上につくったり、相手にお客を紹介してあげたり、といった活動を指します。
冷静に考えればヘンなのですが、起業して仕事が欲しいときほど起業の先輩が「お金はあとからついてくるんだから、まずは貢献しなきゃね」なんて言うと、間違った方向で信じてしまいます。
こういうやり方が合っている人もいるかもしれませんが、やるならやるで、少なくともビジネスの本筋とは違うということを分かっていて欲しいと思います。
「お金はあとから〜」を出しにして近づいてくる人間に注意!
ビジネス交流会などに行くと、決まって貢献することを強いる人間が一定数います。(あくまで傾向です。“強いない”交流会もありますし私も実際に知っています)
その貢献とは先述したような、自分の仕事とは関係のない時間の切り売りであり、それがさも美徳かのように言ってきます。まさに「お金は心配しなくてもあとからついてくるから、まずは他人に貢献しようね」というふうに。
言葉巧みにあなたを仲間に誘ってきます。でも、これって非常に軽薄な付き合いです。親身になってくれるのなら、何よりもあなたの仕事の質を高めるためのアドバイスをくれるのが本当の仲間ではないでしょうか。
交流会などのコミュニティビジネスに顕著ですが、これらの多くが“お客を紹介し合えるかどうか”を存在意義としていますから、自然「まずは会の発展のために協力してね」ということになるわけです。
少なくともそのようなニュアンスを匂わすような人間との付き合いは、世話焼きがよほど好きな人以外は個人的にはオススメしません。
あなた自身、人と付き合うことにいらぬ損得勘定が生まれて卑しい人間になってしまいかねないからです。「お金があとからついてくる」ことを先に期待して行動するようになってしまいます。
そんな損得勘定で物事を考えなくとも、あなたが自分の出会いたい相手をきっちりイメージし、どうすれば出会えるかを脳みそが疲れるまで考えて行動していたらきっと出会えます。
サービス・プロダクトを磨くことが何より大切
ここまで繰り返し繰り返しお伝えしてきましたが、仕事に関係のないことに時間を切り売りするくらいなら、自分のサービス・プロダクトを磨くことに時間をつかうべきです。あなたが起業をしてまでやっているのはビジネスなのですから。
では磨くとは何を指すのかというと、
- お客様のニーズを探る
- そのニーズを叶えられるようにサービス・プロダクトを改善する
- 試してみてフィードバックを得る
簡単に言うとこれらのことです。
無用な付き合いに時間を割く必要はないですが、ニーズを探るのに時間を使うのはいいことです。ここで使った時間はそれこそ「あとからお金になって返ってくる」でしょう。
あなたが自分の仕事を磨くことを本気で応援してくれて、「その苦労はきっとあとになって返ってくるよ」こんな言葉をかけてくれる人が本当の仲間だと思います。
何も行動しなければお金が返ってくることなんてありません。行動し、打ちのめされるたびに自分の仕事をカイゼンし、結果としてより良いサービスを提供できるようになる。この繰り返しによって大きなお金が返ってくるのではないでしょうか。
「お金はあとから〜」と、聞こえはいいですが中身のない理想論しか語れない人間はたぶん自分のビジネスも上手くいっていないです。または言葉巧みに人をペテンにかけ、自分の利益を得ようとする輩でしょう。
そんな人間たちたちに決して耳を傾けないでください。もう一度言いますが、あなたのビジネスの発展に親身になってくれる人が本当に付き合うべき人たちです。
他人の幸せのために自分が不幸せになるのはビジネスじゃない
付き合いで仕事以外のことに時間やお金を使うことはままあります。
自分がやりたいことを実現するために“人”に投資する場面もあるでしょうし、楽しいから誰かと一緒にいるのもいいと思います。
でも勘違いしてはいけないのは、自分が不幸せになってまで他人の幸せを望む必要はないということです。「お金はあとからついてくる」という言葉のもと、自分のビジネスとは関係のないことにお金・時間を使わされるのがまさにそれです。
私たちは、自分の仕事に関係のない他人に、お金・時間を切り売りする暇なんてありませんから!
お金も時間も、特に起業したてであれば限りある資源です。ある意味では感情も資源のようなもので、他人のために自分の感情を損なっては仕事のパフォーマンスも著しく落ちてしまいます。
時間・お金・感情の使い方に、もっと計算高くなってもいいと思うんですね。打算的といわようが関係ありません。(そのように言う人はたぶん、根っから損得勘定だけで動いている人間です)
他人を幸せてにして、結果、自分も幸せになるのがビジネスのあるべき姿だと思います。
もちろん、ときに我慢を強いられることも悔しい思いをすることもあるでしょう。それでも、ゴールに幸せがあると思えることと、漠然と「あとからついてくる」と信じ込まされることには天地の差があります。
私たちは自分自身が確信を持ってビジネスをしていかなければいけないと思います。
まとめ
よく言われるように「お金は“結果として”あとからついてくる」のであって自分の仕事をまっとうしないことにはついてくることはありません。
「あとからついてくるのだから」と自分の仕事に本気になれなかったり、ビジネスとは関係のないことにお金や時間を割いていて成果が得られるほど甘い世界でもないと思います。
何よりも自分のサービス・プロダクトを磨くことに真剣にならなければいけないし、それを阻害してまで「お金はあとから〜」と言葉巧みに近づいてくる人間は、あなたにとってコストでしかありません。
今回、起業するとよく聞かされる「お金はあとからついてくる」という言葉を取り上げましたが、この言葉の本質や裏側に込められたニュアンスが分かれば、取り立てて気にするものでもありません。元も子もないことをいいますが。
ちゃんと自分のビジネスに集中できていれば、考えずとも正しい意味でお金はついてくるはずです。
今回のまとめ
- そもそもお金はその仕組みとして「あとからついてくるもの」。これを取り立ててありがたい言葉かのように使う人間には裏がある
- 時間やお金を他人のために切り売りしないこと。損得勘定なくあなたのビジネスをサポートしてくれる人が本当の仲間だと思う
- 自分のビジネスを磨き続けることに集中していれば、結果としてお金はあとからついてくる。これ以上でもこれ以下でもない
「お金が欲しい」「仕事が欲しい」と気が焦っているときほど「お金はあとから〜」という言葉の負の側面に惑わされがちです。もしそのような状況に陥ってしまったら、この記事のことを思い出して真っ当なビジネスのあり方に立ち戻ってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント