香川県高松市で、プロインタビュアー・マーケターとして活動している大鹿です。
新しいビジネスモデルを考えようと思っても、あまりに多くの要素が複雑に絡み合っていて、一朝一夕では難しいものですよね。
特に、完全なゼロスタートでビジネスを立ち上げたことがない人間にとっては。
とはいえ実際に考えてみることほど得られる学びもないので、今回は最高にシンプルなビジネスモデルの考え方について、シェアしていきます。
お伝えするのは、「セールスレター」というサービスの紹介文を書く際に用いる3ステップのフレームワーク。ある洋書の翻訳で僕も知り、仕事でセールスレターを書く際に使ってみたのですが…なるほど、これはビジネスモデルを作ることそのものだと感じた次第です。
もったいぶらずにお伝えしますね。3ステップとは、こちらです。
- ユーザーが得られる新しい「機会」は何か?
- それによって達成されるユーザーの「欲望」は何か?
- その欲望を実現するための新しい「メカニズム」は何か?
「メカニズム」が、そのままあなたが生み出し扱う商品・サービスのこと。
つまり、あなたの新しい商品・サービスによってどんなチャンスが生まれ、そのチャンスによってユーザーのどんな欲求が満たされるか? 3つの質問につじつまよく答えていくことで、頭の体操のように、ビジネスモデルを考えることができるのです。
「高枝切りばさみ」を例に考えてみましょう。
- 機会→手が届かない庭木の枝を自分で・ラクに切れるようになることは、
- 欲望→わざわざ植木屋さんを呼ぶ無駄を減らすことになり、
- メカニズム→それを実現するのが高枝切りばさみである
いかがでしょう? 非常にシンプルな問いかけですが、奥が深いと思いませんか?
この3ステップの質問は何をやっているかというと、
【あなたの商品・サービスと顧客(市場といってもいいです)をマッチングさせる】
アイデアを考えることです。
人が高枝切りばさみを買う目的はなんでしょう?
文字通り手が届かない庭木の枝を切ることなのですが、切った先の未来に何かを得たいから買うわけです。
例では「わざわざ植木屋さんを呼ぶ無駄を減らす」としました。
これは年に何度か植木屋さんに電話をしてそのたびにお金を払うくらいなら、数千円の高枝切りばさみを持っていた方がコストパフォーマンスがいい。しかも、こまめに庭の手入れもできる。
さらに「庭いじりにかけるコストが浮いたおかげで、別のガーデニングアイテムを買うことができる」などといった欲を叶えることができます。
または、「庭木がうっそうと茂ってしまっていてすぐになんとかしたい」という欲があるなら、植木屋さんを呼ばずに自分で処理したいという人もいるでしょう。
今回の『機会』『欲望』『メカニズム』のフレームワークは、顧客になるであろう人が持つ欲望について、じっくり思いをめぐらせるためのものなんですね。
なので先ほど「奥が深い」と書きましたが、実際にやってみると非常に頭を使うことが分かるはずです。
なぜなら、欲望が「しっくりこない」ということは、それが求められていない商品かもしれない。あるいは、訴求の仕方を間違っているかもしれないということだから。
実際、僕も頭の体操的に活用してみて、この「しっくりこない」感覚がありありでした(苦笑)。
しかし、だからこそ顧客はどんな欲望を持っているんだろう? と考えるきっかけにもなりましたし、欲望を知るためにリサーチを始める合図にもなりました。
要するに、詰めの甘さを思い知ったということです。
実際は『機会』『欲望』『メカニズム』に筋が通ったうえで、あなたとあなたの商品が選ばれる理由というものも、考えなければいけないと思います。
- あなたがどんな人で、どんな想いで商品を生み出したのか?
- 客観的にあなたの商品の良さを証明できる根拠はあるのか?
といったことですね。
今回お伝えしたことは、事業の構想段階で使えることですし、なにか既存の商品について考えをめぐらせ、ビジネスモデルを分析するツールにもなり得ます。
まさに、頭の体操です。ぜひ、活用してみてくださいね。
あなたの商品・サービスと顧客をマッチングさせる3ステップフレームワーク
- ユーザーが得られる新しい「機会」は何か?
- それによって達成されるユーザーの「欲望」は何か?
- その欲望を実現するための新しい「メカニズム」は何か?
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